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ヤフー・グーグル提携報道が偏向する理由

「知識の画一化」などと過大評価をすることはない

  • 谷島 宣之

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2010年12月20日(月)

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 12月はじめの話を蒸し返すことになるが、新聞の主張と公正取引委員会の見解が対立した事例について考えてみたい。その事例とは、日本のヤフーと米グーグルの提携である。

「ヤフー・グーグル提携容認」
「検索シェア9割に」
「公取委 異例の体制で注視継続」
「楽天 『十分な検証を』」
「グーグル、独走態勢一段と」
「欧州委は独自調査」

 これは12月3日付日本経済新聞記事の見出しである。欧州委員会はグーグルの市場独占問題について調査を始めたのに、日本の公正取引委員会はシェアが9割にもなる提携を認めてしまうのか、という主張が読みとれる。公取委が12月2日、日本のヤフーと米グーグルの技術提携について独占禁止法の問題は無いと発表したことに、日経は批判的である。

「公取委、結局『問題なし』」
「ヤフー・グーグル提携『今後も注視』」
「欧州委、正式調査へ」。

 こちらは12月3日付朝日新聞の見出しである。本文には「国会議員や有識者らから懸念する声が強まるなか(公取委が)押し切った形だ」とあり、やはり公取委の判断を肯定してはいない。

 もともと新聞は、ヤフーがグーグルの検索エンジンと検索連動型広告配信システムを採用すると7月に発表し、それを公取委が認めた時から疑問を呈してきた。例えば、日経は8月16日付で、「公取委『容認』は妥当?」「調査期間、米の半分」「再調査の可能性も」という見出しの記事を掲載した。この記事の通り、再調査になったものの、公取委は再び、問題はないと判断した。

 公取委の判断が妥当なのか。それとも新聞の懸念が真っ当なのか。

 公取委が12月2日に報告した内容とこれまでの新聞報道内容を比較した結果、公取委の判断のほうが筋が通っていると筆者は考える。また、独禁法に詳しい萩原浩太弁護士に提携内容と独禁法を照らし合わせてもらったところ、公取委の判断は妥当だという。独禁法との兼ね合いについては、萩原氏のインタビューをご覧いただきたい(『「選ばれてシェア9割」、独禁法は禁じない』)。

競合する2社のビジネスを足してシェアを出す不思議

 新聞がヤフー・グーグル提携に批判的で、公取委の判断に疑問を表明する理由は、「あのグーグルのシェアが9割になってよいのか」という問題意識があるからだろう。確かに「シェア9割」という数字だけ見ると、なんらかの問題があると考えても不思議ではない。

 ヤフーがグーグルの検索エンジンを採用すると、日本のインターネット検索件数の9割がグーグルの検索エンジンで処理されるという。これまでヤフーは米ヤフーの検索エンジンを利用していた。

 ただし、ここで「9割」というのは、検索エンジンという「技術のシェア」であって、検索連動型広告という「ビジネスのシェア」ではない。

 「2社合計の検索連動広告シェアは9割超に」と報じた新聞があったが、そこでいう「広告シェア」がビジネスのシェアを意味するのであれば、この表現は間違いである。

 もともとヤフーは、検索連動型広告ビジネスでグーグルと競合しており、今後もウェブサイトのコンテンツ作成、広告の営業活動や価格設定、すべてをヤフー独自で行い、グーグルの広告ビジネスと競合を続けるとしている。

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