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産学連携プロジェクトで就活を改善

  • 宮田 秀明

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2011年2月4日(金)

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 東大工学部の冬の研究室は忙しい。2月の中旬に卒業論文や修士論文の発表会があるので、それまでに研究論文を完成させなければならないからだ。

 私の研究室で論文を発表するのは8人の修士課程2年生と6人の学部4年生である。普通、1人の教員が指導するのは、それぞれ2~3人なのだが、いろいろな事情でこんな大人数になった。

 ほとんどの場合、1月の半ばまでに研究成果はできている。あとは論文にまとめるだけなのだが、これがなかなか難しい。字数にすると最低2万字くらいの分量は書かなければならない。図表が多いので、これの作成も大変だ。

 最近の学生の文章力の低下は顕著だから、「論文らしい文章」とは程遠い文章を見せられて、頭を抱えることも少なくない。いっぽう、たまにではあるが、ほとんど修正の必要がない立派な文章を書く学生もいる。こんな場合は私の労力が大幅に減る。このような学生は親孝行な息子のようなものだ。

 卒業論文の研究も修士論文の研究も、内容は、新しいアイデアと論理を重ねて、具体的なモデルやソリューションとして実現していくこと。論理力はそうとう鍛えてきたはずなので、最後の論文作成は、その総決算になる。論文の文章は論理的なものしか許されない。だから、論文執筆は、論理力をもう一度、改めて養う場でもあるのだ。

 公務員になる予定のT君の修士論文の原稿を読んで、私は彼に言った。
 「文章の論理性がかなり低いです。私が添削して直したのでは、論理的な文章を書く君の能力が養われない。役所に入っても、文章を書けないでしょう。まだ時間があるから、自分で頑張りなさい」。

 論理力が急に育つわけはないのだが、いつも努力して向上する気持ちを持っていなければならない。

 卒業を控えた学生たちには、1~2月に一番重たい鍛錬の場が与えられる。

就職したら海外へ行って視野を広めるチャンスはない?

 卒業論文と修士論文が完成して発表会を済ませればホッとする。だが、それは終わりではない。私の研究室の研究テーマはほぼ100%産学連携のプロジェクトに関係しているので、研究成果の社会移転作業が待っている。2月の最終週と3月の最初の週に行うことが多い。

 この日程調整が難しい。企業には色々な都合があるので、候補日は絞られてしまう。さらに、それ以上に、卒業間近の学生たちの可能日を押さえるのが難しい。論文発表が終わった途端に、蜂の巣をつついたように、学生たちは旅行に飛び出すのだ。

 2~3月はパック旅行の料金が安いので、これが拍車をかける。極端な例では、1カ月半のうち、日本に居るのは1週間程度といった学生もいる。社会人になってからの出張では行けそうもないトルコやヨルダンなどの中東地域や、ブラジルやペルーのような南米地域を選ぶのは新しい傾向だ。

 なんでこんなに狂ったように卒業旅行に行くのだろうか。彼らに聞いてみたのだが、答えには少し驚いた。
 「会社に入ったら、少なくとも入社から10年間は1週間連続の休暇は取れないと思うんです。今が一生に一度のチャンスかもしれないんです」。

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