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イノベーションが生まれるところ

意図的な「多様性」をどう生み出し維持するか

  • 小林 慎和

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2011年2月4日(金)

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 周りの同僚を見回してみてもらいたい。今、あなたの会社もしくは部の中にはどのような多様性が広がっているだろうか。

 国籍はどうだろう。恐らく読者の多くの方の回りには1種類しかいないのではないか。そう日本人だ。では、大学の専攻はどうだろうか。大体において理系と文系という大くくりでしか人の多様性というものを議論していないのではないだろうか。心理学を理解できる人間は何人いるだろうか。世界中の環境問題の現状を把握している人は何人いるだろうか。絵画や書道を極めている人、あるいはピアノやヴァイオリンなどの音楽はどうだろうか。東京マラソン、ホノルルマラソンなど世界中の名だたるマラソンを走破している人ははどうか。アフリカ大陸のキリマンジャロを登頂した人などいるだろうか。

 イノベーションを生むためのたった1つの必要条件は、多様性のある環境にずっと身を置くことである。研究者であれ、マネジメントであれ、新たな技術開発やビジネス戦略を導き出すために必要なものは、普段自分が見ている世界とは全く異なる多様な世界を見ることである。

 その多様性であることを価値として提供しているサービスが米国では既に盛んである。IDEOcontinuumに代表されるデザインコンサルファームである。このデザインコンサルファームは、入社条件に2つの学位を必須としている。例えば機械工学と心理学といった具合である。多様なバックグラウンドを持つ人間がいてこそ、イノベーションにつながる幅広いディスカッションが可能となる。大学でも盛んであり、スタンフォード大学のD.schoolME310に代表されるデザイン思考を活用した取り組みが著名である。ME310では、世界8カ国の大学がリアルタイムでつながっており、SAPやBMWなどのグローバル企業向けのプロトタイプ検討プロジェクトが3カ月足らずという短期間のサイクルで回っていく。 そのスピードが実現できるのは、世界中に広がる多様なネットワークと、そもそもそのプロジェクトを検討する生徒自身も多国籍なチームだからである。

 こうした動きは日本でも最近盛んになりつつあり、有名なところとしては、慶応大学のメディアデザイン研究科や、D.schoolの日本版と言える東京大学のi.schoolがある。

 イノベーションは今見ている世界からは生まれない。ビジネスを単なる「事業=製品・サービス」としてとらえている限り、革新的なものは生まれてこない。発想の段階は、「事業」、「ビジネスモデル」、「経営」、「産業」、「社会」、「環境・地球」の6段階ある。イノベーションは発想の段階を広げた視座で構想する必要がある。今見ている世界=事業(製品・サービス)からはイノベーションは生まれてこない。前回(『BOPは10年後のマーケットではない』)取り上げたケニア共和国で発達しているモバイルバンキングサービスも、事業ではなく、様々な生活インフラが整っていない「社会」を見ることで初めて生まれてきたイノベーションである。

 ここで2つのイノベーションを紹介したい。

「重さ」もデザインのうち

 1つ目は少し古い事例になるが、任天堂のコンソールゲーム機Wii(ウィー)のコントローラーである。

 ご存じの通り、Wiiのコントローラーはシンプルで数個のボタンからなり、ジャイロセンサーを搭載しているため、握って振ることで様々なアクションを表現することができる。その直感的な動作を実現するため、無線通信でコントローラーから本体に信号が送られる。こうした点が特徴的なコントローラーである。

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