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電気自動車は雲に乗れるのか?

機器とクラウドを結ぶデザインをしよう

2011年3月1日(火)

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 「コンピューターはほかの機械にはない特徴がある。それは機械と目的が一体ではないこと。コンピューターは何にでも使える。可能性は無限と言ってよい。逆に何のために使うのかよく分からないまま買ってしまうことが結構ある。目的を考え抜くことが大事だ」

 20年ほど前に、とある製造業の情報システム責任者にこう指摘されてなるほどと思った。この言葉は記憶に残っており、何度か書いたことがあるが、また引用してみた。「コンピューター」という表現は最近使われなくなり、「IT(情報技術)」と書くようになってしまったが、今回は「コンピューター」で通すことにする。

 工作機械を買う企業は生産に使う。トラックを買う企業は物流に使う。機器と目的は一体である。工作機械を物流に使ったり、トラックを生産ラインに組み込むことはない。

 ところがコンピューターは、生産にも物流にも使える。コンピューターはモノを作ったり運んだりすることはできないが、生産や物流に関わる情報を記録したり、それに基づいて予測をしたりできる。

 情報を処理するといっても様々である。設計図面を作ったり、経営の意志決定に役立てたり、伝票処理に使ったりできる。冒頭の情報システム責任者が指摘した通りであって、何にでも使えるということは何にも使えない危険があり、目的をしっかり考えておかないといけない。

 企業の業務用ではなく家庭用の機器についても同じことが言える。家電製品はすべて使用目的が決まっているが、パソコンはワープロや年賀状印刷機になるし、DVD再生機や音楽プレーヤーにも家計簿にもなる。インターネットにつなげば電話もかけられるし、テレビ放送も見られる。

 コンピューターが様々なことに使えるのは、コンピューターに指示を与えるソフトウエア(コンピュータープログラム)を入れ替えられるからである。あらかじめ開発済みのソフトウエアもあるが、コンピューターを購入する使い手がソフトウエアの仕様を決めて、自分で開発することもできる。

 したがって、コンピューターをうまく使うために、コンピューターの使い手が、何のために、誰がどう使うのかをよく考え、そのためのソフトウエアを開発あるいは調達しなければならない。

 こう書くと数行で済むが簡単ではない。コンピューターの購入と利用を巡って、揉め事がしばしば起こるのはそのためだ。工作機械やトラックを買って使う場合でも揉め事は起こりうるが、コンピューターほど多くはない。

実世界とコンピューター世界の結合が始まる

 何にでも使えるが揉め事も引き起こすコンピューターは、どこにでも入り込んでいく。かつてコンピューターと言えば、専用の設置場所が必要になる高価な産業機器であったが、今やスマートフォンや携帯電話、タブレットPCやノートPCといったように、個人が複数のコンピューターを持ち歩くようになっている。また自動車、家電製品、産業機器など多種多様な機械にマイコンが組み込まれている。

 一方、通信ネットワークが高速になり、企業内に複数台設置していたコンピューターを、企業外にある大型センターに集約する動きも出てきた。いわゆるクラウドコンピューティングと称されるサービスを利用すれば、コンピューターを必ずしも所有しなくても済む。

 「情報爆発IT基盤」や「情報大航海プロジェクト」といった研究やプロジェクトを手掛けてきた東京大学生産技術研究所の喜連川優教授は、今後のコンピューター利用の方向として、「実世界(フィジカルワールド)とコンピューターの世界(サイバーワールド)の結合」を挙げる。

コメント3件コメント/レビュー

>クラウドコンピューティングの進展によって、利用者や利用企業がソフトウエアを作る機会は確かに減っていく。むしろ逆で、ユーザーコンピューティングが重要になってきます。ユーザー企業はIT技術者をSIerから引き抜くべきでしょう。(2011/03/01)

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「電気自動車は雲に乗れるのか?」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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>クラウドコンピューティングの進展によって、利用者や利用企業がソフトウエアを作る機会は確かに減っていく。むしろ逆で、ユーザーコンピューティングが重要になってきます。ユーザー企業はIT技術者をSIerから引き抜くべきでしょう。(2011/03/01)

最近、電気自動車のユーザーになった。主に通勤で使用している。多くの人が関心を持つ電費は完全にクラウドの世界に入っていることを実感している。この数値は「燃費ならぬ電費競争」にさらされている。明らかにはされていないが、クルマの位置情報もクラウドの中に入っているのではないか?企業にとっても新たな視点での産業創出につながるであろうし、一方、公安組織においても大変革が必要になるだろう。この世界の急激な変化の予兆を感じる。(2011/03/01)

スマートシティなどパイロット・プランが進行しつつあるようだが、どれだけ問題を発見し優先度をつけた課題として解決してゆけるかが鍵のように思える。日本で現場から立ち上がる問題の発見と命題化の中で潜在するDilenmaやTrilenmaに対してMulti-Diciplineで止揚的な解消をリードできるようなリーダーは実在するのか?(日本の教育や官僚制はこうした人材を食いつぶしてきたのでは?)(2011/03/01)

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私自身もブラックベリーとともに育った人間。そんな会社がそのまま消滅するのを見たくなかった。

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