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新しい、大きな渦を起こせ!

  • 宮田 秀明

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2011年3月11日(金)

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 今年の冬は寒かった。沖縄ではめったにない寒さだった。この寒さは大気の渦のせいだ。北極を中心に地球をグルグル回る流れは、4つか5つの大きな渦を作る。その渦の一つが日本列島を覆うように陣取ると寒い冬になる。この渦がどの程度の大きさになってどの経度の位置で南へ膨らんでくるかは年によって変化するので、暖かい冬や寒い冬が周期的に訪れることになる。

 台風や竜巻だけでなく、大気の運動はすべて渦と言っていい。水蒸気を含んだ渦が雲である。積乱雲のように立体的にしっかりとした形を作る雲は、強い渦で構成されているので、内部に激しい空気の流れがある。飛行機もこんな雲は避けて飛ばなければならない。

 私はかつて、流体力学を教えていた。20年ぐらいの間だろうか。これは教えることの難しい学問分野だった。現象があまりにも複雑すぎるからだ。流体現象の90%は渦と言ってもいいのだが、その構造とメカニズムには無限に近い多様性がある。車の後ろにできる渦も、複雑で難しい渦の一つだ。

インターネットが、人が作る渦を大きくしている

 人も渦を作る。自然界の渦は、空気や水という媒体があるから渦を作る。しかし、人の作る渦は、人と人のネットワークによって作られる。昔は口コミなどしか情報伝達手段がなかったので、人は小さい渦しか作れなかった。大きな渦を作るためには、大きな権力や財力や武力が必要だった。開国以前の日本もそうだった。同じように、力で強制的な渦を作るのが、現代にも残る独裁者による治世である。

 ところが今、インターネットの登場によって、世界は大きく変わりつつある。今度のエジプト革命をはじめとする中東・アフリカ諸国の政変は、そのことをまざまざと見せつけている。インターネットが、まるで地表を覆う大気の層と同じように地球上を覆ってしまっているので、いつでも誰でも大きな人の渦を引き起こせるようになっていることを思い知らされた。

 これからもインターネットが世界を変えていくだろう。インターネットが作る人の渦は、まだ一つひとつの国の中での渦だが、国境を越えた大きな渦も作れるようになるかもしれない。政府と政府が作る国のネットワークだけでなく、市民と市民がネットワークを使って渦を作り、国と国、市民と市民の理解が深まり、お互いWIN-WINの世界を作る原動力になるかもしれないだろう。

正しくて大きい人の渦を作ることは経営の根幹

 企業などの組織でも、人の渦が発生する。いちばん困った渦運動は、派閥やセクショナリズムだ。社内に有害な人の渦がたくさん発生して、経営がままならない状態になってしまう。

 大きな経営テーマの一つは、正しくて大きい人の渦を作ることと言ってもいいだろう。全体最適を目指す大きな渦を作りたい。中小企業なら正しくて大きな渦が1つあればいいだろう。多方面で事業を行う大企業なら、複数の大きな人の渦が必要だろう。

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