山根一眞のポスト3・11 日本の力
このコラムについて
東日本大震災という経験したことのない巨大災害に見舞われて、人類の歴史とは幾多のカタストロフィーを経験し、それを克服してきた歴史なのだということを、あらためて実感しました。「頑張ろう!」と励ましあうことは大事ですが、どう頑張ればいいのかの「道しるべ」が今も求められています。巨大災害の復旧・復興と、今後の防災・減災のために、何が必要で、どんな行動を、どんな研究が求められて、取り組まれているのか。現場取材を中心にそれらを伝えながら、私なりの提案も続けます。また、巨大災害を、「豊かな文明」のありようを大きく変える時ととらえ、日本が世界でもっとも力強い国となれることを信じて、そのシナリオを探ります。
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記事一覧
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2018年4月11日
豪雪で1500台が立ち往生した“道路事情”
福井の大雪災害を徹底検証(1)
2018年2月6日から福井県嶺北地方は大雪に見舞われた。大きな災害はきちんと検証をしておかなくてはいけないという思いで取材を続けている。災害現場からは多くの教訓が得られるからだ。
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2017年1月24日
東京震災、都心を囲む「火炎ドーナツ」に備えよ
「糸魚川駅北大火」の現場で得た教訓(3)
糸魚川大火の現地取材は、22年前に訪れた阪神・淡路大震災の取材の記憶を呼び起こした。そして、祖母から聞いた関東大震災の火災の話が思い出された。東京を大地震が襲った時、何が起きるのか、どう備えるべきかを...
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2017年1月23日
被害乗り越え、糸魚川市を「耐火モデル都市」に
「糸魚川駅北大火」の現場で得た教訓(2)
兵庫県南部地震から22年。糸魚川大火の現場に立った時、当時の光景が頭の中で重なった。我々は「巨大火災」にいかに対処したらよいのか。「消防革命」と評される消火方法の提唱者、山家桂一さんと話し合った。
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2017年1月10日
糸魚川大火、アイスのようにクルマが溶けた猛威
「糸魚川駅北大火」の現場で得た教訓(1)
昨年12月22日に発生した新潟県糸魚川市の大火。東日本大震災降、備えるべき巨大災害の第一の関心は巨大地震、津波だった。しかし大規模水害や竜巻、豪雪、巨大噴火、そして大火も忘れてはいけない。出火から4日...
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2016年5月10日
北九州市緊急消防援助隊隊長に聞く、熊本の現場
[熊本地震]報道されないあの事、あの人(3)
「緊急消防援助隊」は阪神・淡路大震災を教訓に、巨大災害時に、行政区分にこだわらず全国の消防機関が応援を迅速に行うことを目指し創設された。熊本地震でいち早く現地入りした北九州消防局の小清水勉隊長に「現場...
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2016年4月30日
「ドラマ仕立て止めて」神戸の無念、熊本で再び
[熊本地震]報道されないあの事、あの人(2)
熊本地震の発生後、多くの報道陣が現地に入り、リアルタイムで報じた。我々は過去の震災で様々な教訓を得たが、課題の改善はなされたのか。21年前の被災者のメッセージを改めて振り返ると、当時の無念が繰り返され...
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2016年4月28日
テレビ報道者も間違う「震度最大10」の誤解
[熊本地震]報道されないあの事、あの人(1)
熊本地震に関する報道の中で耳にした「震度8の地震が来たら…」。あり得ない言説に唖然とした。私たちは過去の震災から様々なことを学んできたが、まだまだ知るべきことは多い。今回は「震度」について再確認と検討...
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2015年1月27日
伝えたい…阪神高速28km、震災後20ヶ月「超高速復旧」の真実
私にとっての阪神・淡路大震災20年(3)
1995年1月17日の阪神・淡路大震災。その被害の象徴でもあった阪神高速道路の復旧には何十年もかかるだろうと思っていた。だが、わずか20ヶ月という信じがたい短期間に復旧開通を果たした。その全貌を伝えた...
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2015年1月23日
忘れない…震災1年後の神戸の夜、悲しみの先に見た光を
私にとっての阪神・淡路大震災20年(2)
2015年1月17日、メディアはこぞって20年前の巨大災害を「語り継ぐ重要性」とともに報じたが、もうすっかり忘れてしまったようだ。それではいけない。私は、日経ビジネスONLINEを通じて「語り継ぐ」こ...
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2015年1月16日
20年前の震災を忘れない…「ビデオ30分」の悔恨とポン引きの声と
私にとっての阪神・淡路大震災20年(1)
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災。この取材経験が今も私の人生のコアにある。現地で何を見たのか、何を教訓として得たのか。20年前の取材の日々をふり返りながら、日本=巨大災害大国で生きる事を...
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2014年12月5日
「はやぶさ2」の打ち上げ成功を見た「関西のオバちゃん」の鋭い指摘
小惑星探査機「はやぶさ2」の取材ノートから(4)
待ちに待った「はやぶさ2」の打ち上げ、そして分離、そして宇宙へ! 感無量である。私のもとにも「おめでとう!」メールがたくさん届いた。今回の記事は、その中の1通から始めよう。
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2014年12月3日
打ち上げが「1秒」遅れてもダメ、「はやぶさ2」のスゴい軌道計算
小惑星探査機「はやぶさ2」の取材ノートから(3)
やっと「はやぶさ2」の打ち上げ日を迎えた。2度にわたる延期で、打ち上げ日時がどう変わったかを見ると、秒単位で変更されている。それはなぜか。どうやって実現するのか。そこには、プロジェクトを支えるプロたち...
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2014年12月2日
「延期なし」でも打ち上げを絶対に見られない「はやぶさ2」の指揮官
小惑星探査機「はやぶさ2」の取材ノートから(2)
再度の延期。打ち上げの感動を体感する瞬間が待ち遠しいが、それは実はぜいたくなこと。打ち上げを司るプロジェクトマネージャは管制室にいるので、「生」での体感は叶わない。それを思えば、数日待つことくらい、じ...
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2014年11月30日
“「はやぶさ2」の打ち上げ延期”が大々的に報じられてびっくり!
小惑星探査機「はやぶさ2」の取材ノートから(1)
11月30日に打ち上げられる予定だった「はやぶさ2」の打ち上げが延期された。落雷などの危険には用心が必要で、延期は珍しいことではない。それより驚かされたのはメディアのフィーバーぶりだ。
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2014年3月12日
貞観地震と南海トラフ地震をつなぐ「砂」(2)
私の「東日本大震災取材ノート」から
「3.11」以降、「南海トラフ地震」への危機感が高まっている。津波災害にいかに備えるべきか。ヒントは、1100年前の巨大地震「貞観地震」の津波が運んだ「砂」にある。連載第2回は、砂が眠る「荒浜」への“...
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2014年3月11日
貞観地震と南海トラフ地震をつなぐ「砂」(1)
私の「東日本大震災取材ノート」から
「3.11」以降、「南海トラフ地震」への危機感が高まっている。津波災害にいかに備えるべきか。ヒントは、1100年前の巨大地震「貞観地震」の津波が運んだ「砂」にある。
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2014年2月25日
考えたい本当の「お・も・て・な・し」
「東京オリンピック2020」成功への助言(3)
多くの日本人が2020東京オリンピックと重ね合わせてソチ五輪を見たのではないだろうか。「2014冬期ソチを新たなスタートとして2020東京というゴールに邁進だ」と、すがすがしい意欲を持つことができたと...
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2013年10月18日
大事なのは経済効果よりも個人的な体験
「東京オリンピック2020」成功への助言(2)
2020年の東京オリンピックが1964年の東京オリンピックと大きく異なる点は、このイベントの伝え方、感動の共有の仕方が思いもかけない展開をみせることだ。
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2013年10月11日
49年前、東京の空にかかる「5つの輪」を見上げた
「東京オリンピック2020」成功への助言(1)
49年前の1964年10月10日、午後2時58分、東京の国立競技場で昭和天皇のお言葉があった。「第18回近代オリンピアードを祝い、ここにオリンピック東京大会の開会を宣言します」。東京オリンピックの開会...
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2013年10月1日
20年越しのジャパニーズ・ドリームを実現!
「年縞」を読み解いた在英日本人研究者(最終回)
2013年9月30日、東京都千代田区にある都道府県会館で「年縞」に関する重大な記者会見が開かれた。ニューカッスル大学教授、中川毅さんはイギリスから一時帰国。水月湖がある福井県から西川一誠知事も参加した...