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震災を「塞翁が馬」にする方法

各戸で自然エネルギー発電し、町単位で蓄電する

  • 宮田 秀明

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2011年4月8日(金)

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 2010年12月に石垣島を訪れて石垣市役所の方々と話していたとき、家庭用リチウムイオン電池の思わぬ効用を聞いた。

 「電池は台風で停電になった時にいいですね。お隣はローソクの灯で暮らしているのに、二次電池のある我が家はテレビもつけて悠々としていられますね」

 今は、石垣島の人ではなく「計画停電」の対象地域の人が全員そう思っているのではないだろうか。スマートハウスで考えられている一戸当たりの蓄電量は一家の1日分の電力消費量かその半分だ。夜間に充電することで、電力会社から購入する電力を1日(24時間)単位で平滑化することができる。屋根の上に3キロワットの太陽電池があれば、年間平均で需要の40%ぐらいをこれが賄える。このスマートハウスが広がれば福島第一原子力発電を廃炉にしても、新しい発電所を建設する必要はなくなるだろう。

 これは、電気を自分で作って、自分で貯めて、自分で使うという半地産地消システムが実現することを意味する。これまでの集中型生産システムから分散自律型生産システムへ進化していくのだ。

太陽電池と二次電池で価格性能比の改善が進む

 太陽電池(PV)が電気の分散的な生産を可能にし、リチウムイオン電池(LIB)が分散的な貯蔵を可能にしようとしている。しかも太陽電池の価格は急速に低下しつつある。キロワット当たり30万円も視野に入ってきた。

 リチウムイオン電池の価格低下も急速に進むだろう。私の予測は2015年までに1キロワット時当り3万円である。各電池メーカーもこの値を目標に様々な技術開発を行っているようだ。一方で、2~3年後には色々な車輌やEV向けに出荷したリチウムイオン電池が大量にリユース市場に流れてきそうだ。1キロワット時当たり3万円より安いリユース品も出てくるだろう。

 PVが30万円/キロワット、LIBが3万円/キロワット時だとすると少し電力消費の多い一戸当たりの設備費はそれぞれ90万円と60万円になる。これに機器と工事費が70万円加わるとすると、合計220万円の費用でスマートハウスを作ることができる。節減できる電気代は毎年8万円ぐらいになるから、将来の原油価格の上昇や将来あり得る環境税の課税、さらに今回のような停電に対する安心料と思えば、一家の家計にとってもリーズナブルである。

 ほとんどの大手住宅メーカーはスマートハウスの実証実験を実行中だから、リチウムイオン電池の供給が始まり次第、戸建て住宅のスマートハウス化を進めることができるだろう。

スマートハウスが抱える2つの課題

 しかし、スマートハウスには大きな課題があることを認識しておく必要があるだろう。一つは、一世帯ごとにスマートハウス化を進めると、電力需要の1日24時間の間の変動が大きくて、このことが過大な蓄電容量を必要とする事である。一家全員が外出している昼間の電力消費量は少ない。一方、午後6時に全員が帰宅してエアコンと照明を利用始める、さらに調理を始めると、電力消費量は一気に数キロワットに達する。

 当たり前のことだが、戸建住宅のように規模が小さくなればなるほど1日24時間の間の需要変動が激しくなる。大きな蓄電池の容量が必要になるので蓄電効率が低くなる。

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