「クラウドの先を読む 産業パラダイム・チェンジ」

ソーシャルメディア・リテラシー

未来を生き抜く必須スキル(個人編)

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2011年4月19日(火)

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 東日本大震災の被災地・被災者の皆様、心よりお見舞い申し上げます。

 今回の震災の中で、その重要性が認識されたソーシャルメディア。今回は、それを扱うスキル、つまりソーシャルメディア・リテラシーについて考察してみたいと思う。今週は個人編を、来週は企業編を、2週に分けてお届けしたい。

何も恥ずかしがることはない

 まず初めに、このソーシャルメディア・リテラシーは、これからの未来を生き抜くための必須スキルとなる。これは断言できる。

 映画『ソーシャルネットワーク』のスマッシュヒットも後押しし、にわかに日本でもフェイスブック熱が盛り上がってきた。個人も企業もこぞってフェイスブック対策に追われている。映画の本場、ハリウッドでは、ソーシャルネットワークはアカデミー賞で三冠を達成している。世界では既に6億4000万人に対して、日本ではまだ300万人に満たないフェイスブックであるが、今年の末には1000万人を突破することが固いのではないか。

 ビジネスに生かすにしろ、個人の生活を豊かにするために活用するにしろ、このソーシャルメディアというものは、いくつか注意を要する点がある。

 人間が社会で生活していくために必要な「社会性」というものを我々は小学校に始まり、中学高校大学、そして社会人として学んでいく。同じくビジネスの現場で必要なビジネスマナーや社会人としての生き方は、それこそ毎日の職場で学んでいく。

 デジタルネイティブ、いわんやソーシャルメディアネイティブではない我々にとって、このソーシャルメディアと付き合うための根本的な資質が実は抜け落ちているのだ。誰も攻めることはできない。最近現れた代物なのだから。何も恥ずかしがることはない。ほとんどの人がきちんと身につけているわけではないのだから。

始めに必要なリテラシーは、「アウトプット癖」

 まず、「個人」という視点から、このソーシャルメディアとの付き合い方、つまりソーシャルメディア・リテラシーというものを考えてみたい。

 まず始めに必要なリテラシーは、「アウトプット癖」である。

 大げさな表現をすれば、古来アウトプット、つまり情報発信というものは崇高なものだった。価値あるものを世に発信する。共有するべき知的資産は、限られたものである。未だにほとんどの人の頭の中では、この「良質で限られたもののみがアウトプットされ、共有されるべき」という価値観が根付いている。

 ソーシャルメディア・リテラシーでは、この価値観はまったく逆になる。まず何はともあれアウトプットするのである。まず発信するのである。それが価値あるものかどうかを自らの価値観だけで判断してはいけない。それが価値あるものかどうか。それは受け手が判断するのである。情報流通コストがほぼゼロになり、デジタル情報を蓄積するストレージの利用料も格安になった今、思いついた情報はまずオープンにするのである。

 プライバシーに関わることや、誹謗中傷の類だけは、オープンにすることは避けていただきたい。

 溢れかえる情報の中に埋もれてしまうことに躊躇してはいけない。発信しても誰からの反応もないことを悲しむ必要はない。たとえ些細なことであろうとも、世界中のあらゆるところから、参照可能な状態に情報を作り替えておくことが重要なのである。

 震災後、様々なツイートが日本全国を飛び交った。例えば、こちらprayforjapan.jpには、被災者、震災対応への涙するツイートがまとめられている。このリンクを紹介した筆者のツイートは3000回以上のリツイート(RT)、1000以上の「☆」がつけられた。このツイートの閲覧回数は50万回を超えた模様である。

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著者プロフィール

小林 慎和
(こばやし・のりたか)

小林 慎和

野村総合研究所コンサルティング事業本部ICTメディア産業コンサルティング部上級コンサルタント、ビジネス・ブレークスルー大学准教授、NPO法人ガイア・イニシアティブ、工学博士。経営コンサルタントとして、IT業界、エレクトロニクス業界を中心とする企業に対して、新規事業立ち上げ、海外展開、M&A、営業改革、組織改革などのコンサルティングの提供。また、最近は新興国展開、特にBOPビジネスを推進するプロデュースビジネスにも力を注ぐ。



このコラムについて

クラウドの先を読む 産業パラダイム・チェンジ

クラウドコンピューティングやソーシャルネットワークといった新しい動きが登場するIT・通信業界。それは先進国だけでなく、BOP(ボトム[ベース]・オブ・ピラミッド)として注目を集める新興国を巻き込んでいる。企業や消費者の動向を踏まえながら、進化するハードウエアやコンテンツがもたらすパラダイム・チェンジを解説する。

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