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陸前高田市を“陸前高田ソーラー発電株式会社”に

東北の被災地を環境未来都市のプロトタイプにする

  • 宮田 秀明

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2011年5月13日(金)

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 被災した三陸の臨海都市は様々だ。水産業や製造業を中心的な経済基盤とする比較的規模の大きな都市がある一方で、ほとんど産業らしきものがない都市も多い。後者の都市に対しては、より大胆な未来都市の青写真を描くことができるのではないかと思う。

 例えば陸前高田市は人口2万人余りの市で、観光と農業を中心的産業にしていることになっている。しかし、農業従事者は1000人余りで、従事者の平均年齢は69歳である。建設業・製造業従事者が合わせて約3700人で、小売業・医療・福祉などのサービス業従事者が4000人ぐらいになる。高齢化が進んでいて、一番人口の多い年齢は62歳で450人ぐらいだ。一方、24歳の人は50人ぐらいしかいなくて、これは93歳の人の人口より少ない。

 水没した農地を再建する重要度はそれほど高くなさそうだし、観光の目玉だった松原は消滅してしまった。

 白紙からプランを作ることが許されそうな条件がそろっている。いろいろなプランのうち、「自然エネルギー未来都市」の青写真はなかなか良さそうだ。沖縄県の宮古島や石垣島に対して、私たちはいろいろなケーススタディーを行ってきた。三陸の臨海都市も新たな候補地にするのがいいと思う。

 長期的な視点から言えば、化石エネルギーはいずれ枯渇する。原子力エネルギーは安全性に大きな懸念を引き起こした。再処理と安全性の確保などを考えるとコスト的にも競争力を失う可能性がある。長い時間軸上では、自然エネルギー発電を中心に据えなければならないことは明白だ。自然エネルギー発電の最大の課題は、その発電が天候次第で不安定なことだ。しかし、それは急速に進歩しつつある蓄電技術が解決してくれそうだ。

売電収入で農業収入を補う

 陸前高田市を日本初のメガソーラータウンにすることを考えてみよう。

 陸前高田市の浸水域は合計13平方キロに上る。そのうち1平方キロに太陽電池を敷き詰めると100メガワットのメガソーラー発電所ができる。世界のトップレベルの規模になる。

 日本初のメガソーラータウンの最大の特徴は大規模な蓄電装置を備えることである。100メガワットのソーラー発電に加えて、140メガワット時の二次電池を設置すると、陸前高田市の電力需要の50%を自然エネルギー発電で賄うことができる。この時、東北電力の系統電力網には減収以外に何の悪影響も与えない。

 もっと大規模にして3平方キロの土地に太陽電池を敷き詰めると300メガワットのメガソーラー発電所になる。これは建設予定も含めた世界中のメガソーラー発電所の中でも最大級の規模になる。発電量の3分の2は余剰になるので、東北電力に売電して収入を得ることができる。100メガワットのメガソーラータウンのケースでも年間の電気の売上額は30億円ぐらいになる。その5%を地代として農家に還元すれば、現在の農業所得と同じぐらいになる。

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