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読者と考える「スペシャリストから育つゼネラリスト」

真藤恒の技術経営を学ぶ[その6]

  • 谷島 宣之

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2011年5月26日(木)

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 『真藤恒の技術経営を学ぶ』は、NTTの社長・会長を務めた真藤恒氏が著書『歩み』(NTT出版、1989年)に遺した語録から、技術の舵取りや組織運営に関する考え方と姿勢を読みとる企画である。真藤氏から直接指導を受けた石井孝氏(元NTT常務)に講師をお願いしている。

『その1:事務屋、技術屋ではなく社会人たれ』から読む)
『その2:勇気なきインテリは「熟慮不断行」』から読む)
『その3:「思い切りやれ」、現場を奮い立たせた一言』から読む)
『その4:「もっと勉強を」、社長にくってかかった訳』から読む)
『その5:知識より知恵、ホームランよりバント』から読む)

 今回は、これまでの5回分の記事に寄せられた日経ビジネスオンライン読者のご意見(公開許可があったもの)と、それに対する石井氏の回答を掲載する。読者の方の意見はこれまでの記事のコメント欄に掲載されているが、今回再掲するにあたって、文言の一部を編集したものもある。意見の最後にある日付は投稿日を示す。

◇    ◇    ◇

―― 読者の方から色々なご意見が寄せられています。内容を拝見すると、技術者像、リーダー像に関するものが多いです。

 石井 ありがたいことです。コメントを寄せて下さった方、読んでいただいた方に改めてお礼を申し上げます。真藤さんの言葉を今紹介しようと思ったのは、日本のエンジニアのあり方、リーダーのあり方を考え直しませんか、という意図からでしたので、読者の方の反応には勇気づけられます。

(前略)技術者でありながら思想・哲学・信念を持ち、また真理の実践を生まれながらにして持ち合わせた人だと思います。日本の社会や企業の将来は、このような人物、賢人をいかに見つけ出すかにかかっています。

 このような人材は希有であって、教育で生まれるものでもないでしょう。国難にあってパフォーマンスだけの今の政治状況を見ると、このような傑出した人物が早く出てくるようにと願わざるをえません。(4月2日)

 石井 全く同感です。今回の震災を節目に、我が国もすべての面で、当たり前かつ良識的な方向に舵を切替えなくてはなりません。そうした中で本物のリーダーが登場することを期待して止みません。

―― 読者や石井さんに絡むようですが、願ったり期待していてもリーダーは出てこないのでは。

 石井 真藤さんはあくまでも経営者であり、技術屋でした。ただ、遺された語録を読んでいると、経営や技術にとどまらない、もっと大きなリーダーのあり方に通じる内容がかなりあることに気付きます。

 様々な現場におられる皆さんが、皆さんなりのリーダーシップを発揮する際に、語録を役立ててもらえればと思っています。そうしたことが続けば、日本のあちこちで本物のリーダーが登場してくると、楽観的かもしれませんが考えています。

求む、「全体を見るシステム屋」

―― リーダー像として「全体が分かる人」というテーマがあります。きっかけは第2回記事へ寄せられた下記の意見でした。意見の骨子と、第4回記事に入れた石井さんの回答を再掲します。

 担当しているデジタル機器の開発においては、技術者が「画像処理のハード担当」とか「音質関連のソフト担当」といったように専門化してしまい、それらを統合して全体を見るシステム屋がほとんどおりません。

 他のメーカーの友人に聞いても同じような悩みを抱えています。ハードもある程度分かるソフト屋、ソフトも作れるハード屋、両方を理解できているシステム屋を無理をしてでも計画的に育てていくことが必要です。

 しかし現実には、ハード、ソフト担当者の相互ローテーションは、3カ月ごとに新製品を出すため開発が超短納期で余裕がない、技術の専門化が進んでいる、という理由でほとんど行われていません。

 原発も専門化されすぎて、技術もある程度理解した上で全体を俯瞰できる人がいないために、収束に時間がかかっているのではという気がしています。(4月16日)

 石井 システム屋、言いかえればトータルな設計屋をいかに養成するかがポイントでしょう。真藤さんは「設計がすべて」と言っております。真藤さんの言う設計は、単なる機能設計だけでなく、合理的なモノ作りを考慮した製造設計まで含んだトータルなものです。したがってハードとソフトの両方に精通しなければなりません。

 最近の機器はことごとく、ソフトウエア・オリエンテッドであることを考えますと、ソフト屋の中から人を選び、ハードも勉強させ、オールマイティーのエンジニアに育てていくほうが良いかもしれません。一見、難しそうですが、センスのある人を選び出し、本人のモチベーションを鼓舞できれば、それほど難しいことではありません。

 読者の方が指摘されているように、かつて「技術の神様」と呼ばれていたようなオールマイティーのエンジニアが姿を消しました。最近、技術やシステムのトラブルが深刻化する例が目立ちますが、これは神様の不在から来るものです。真藤イズムを実践していけば、技術の神様を企業内に再興できるのではないかと思いますし、そうしなければならないでしょう。

『その4:「もっと勉強を」、社長にくってかかった訳』から再掲)

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