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EV用の充電インフラ整備はポジティブスパイラルをもたらす

一石“四”鳥が狙える

  • 宮田 秀明

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2011年6月10日(金)

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 このビジネスモデルは、既に過去のものになったのだろうか?

 2年前のことだが、電気自動車(EV)の組み電池をガソリンスタンドのようなところで、充電された電池と交換する方式が提唱されていた。米国のベンチャー企業が作ったビジネスモデルだった。日産自動車のSUV(スポーツユーティリティビークル)『デュアリス』を使って電池交換の実演もしていた。当時はマスメディアが熱心に取り上げていたので、これが正しいEVの充電方式だと思った人が少なくなかった。

 この時、私たちは日産と共同研究していたこともあって、この方式に対して激しいくらいに反対した。理由は「科学的、技術的、経済的に合理性がない」ということだった。

1.200~300キログラムもある組み電池を脱着するためには、軽量化のための一体化(モノコック)車体構造を取った乗用車に、補強のための追加の構造が必要になる。追加の構造は、モノコックの構造の考え方と反するものになるだろう。

2.車種ごとに異なる色々な組み電池を充電スタンドに用意しておくのは、ビジネスとして効率が悪すぎる。さらに予備の電池によって1台の車のために必要な電池の量が増え、経済性が下がる。

3.交換作業に必要な装置の設備が高価すぎる。

4.リチウムイオン電池の性能を評価することは難しい。このため、交換することの取り引きとしての成立が難しい。車体と電池を分離して売ったり、電池はリースするというビジネスモデルの中でしか交換ができなくなる。

 以上の理由から、営業用のバスやトラックではあり得るモデルだが、一般の乗用車ではあり得ないモデルだった。

 幸い私たちの活動が奏功したのか、それとも科学的、技術的及び経済的合理性に欠けていることに企業と社会が気づいたのか、この電池脱着モデルは、日本はもちろん、世界中から消えつつある。まだイスラエルなどが継続して検討しているのかもしれないが、早く改めた方がいいだろう。

 EVは夜間に充電するのが基本だ。長距離走行のためには、社会インフラとして充電スタンドを用意する。これがEVの充電ビジネスモデルの基本形になりつつある。

 間違ったモデルが成功することはない、ということを示す典型的な例と言っていいだろう。

沖縄から始まったEVビジネス

 3月の初めに沖縄を訪れた時、道の駅「許田」の近くで、納車されるEV『リーフ』のタクシー版を見た。たぶん名護市あたりのタクシー会社が使うのだろう。最近は、東京でも「リーフ」のタクシーを見かけるようになってきた。

 タクシーは多ければ年に10万キロ走ったりするから、燃料費負担が経営を圧迫する。ところがEVを使うと燃料費は5分の1から10分の1くらいになるから、経営上魅力的なのだ。航続距離の問題があるから、長距離サービスはできない。だから例えば東京23区内だけの営業といった目的地制限が必要になるだろう。しかし、その点もタクシービジネスに組み込むことができそうだ。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官