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社会科学者よ! 「非線形」に挑戦してはいかが?

非線形の世界では1+1=5になることも

  • 宮田 秀明

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2011年6月17日(金)

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 このコラムを書き始めたのは、日経ビジネスオンラインが創業した時のこと。だから、もう6年目に突入している。担当の編集者も3人目になった。編集者と私との間には、当然ながら色々なやり取りがある。

 もう大分前のことだが、編集者に言われた。「この原稿は勘弁してください。読者が離れてしまいます」。

 その原稿のタイトルは「楕円型システムと双曲型システム」というものだった。楕円型と双曲型というのは偏微分方程式のタイプのことで、この2つの数学モデルの違いが経営モデルに重要な示唆を与えると思って書いた。だが、読者の方々に理解されるのが難しそうだったのだ。

 常日ごろ、私は学生たちに英語と数学だけはしっかり勉強するように指導している。英語はグローバルなコミュニケーション力を与えてくれる。一方の数学は、モデルやアーキテクチャーを創造する際の基本的な思考を助けてくれる。

 「楕円型システムと双曲型システム」はまだお蔵にしまっておかなければならないようだが、線形と非線形の意味だけは、読者の皆様にぜひ理解してほしい。本来は数学または物理学の言葉だが、社会科学の世界でも、もっとも基本的な概念として理解が広まってほしいと思うからだ。

非線形の世界では1+1=5になることも

 数年前のこと。あるエコノミストの方と根津の居酒屋で飲んでいた。私は何かの話題の流れで彼に聞いた。
 「非線形って知ってます?」
 「いいえ、どういうことですか? 教えてください」
 彼は答えた。

 自然科学の世界でも社会科学の世界でも「非線形」という言葉は極めて大切な言葉なのだ。なぜならば、自然現象も社会現象も、ほとんどは非線形だからだ。

 分かりやすい例で言えば、東日本大震災の津波は非線形な自然現象の典型例だ。リーマンショックは非線形な社会現象の典型例だ。

 線形ということはつまり、四則演算で答えが得られるということだ。1+1=2、1-1=0のような世界だ。

 非線形ということは1+1が5になったり、不連続なことが発生したりする。だから予測がたいへん難しい。

 自然も社会も非線形だということは、ほとんどすべての人間が感じていることだと思う。人生はもっと非線形だ。裕福な人が幸せな人生を送るとは限らないし、美人が幸せな人生を送るとも限らない。世の中は非線形の渦が無数に巻いているものと言っていいだろう。

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