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“全部不安”な初プロジェクト、若手3人はいかにして乗り切ったか

東京都江東区、3000人の勤怠管理システムを構築

  • 谷島 宣之

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2011年6月24日(金)

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「全部不安。一言で表現するとこうなります」。
「我々3人ともシステム導入の経験などありませんでしたし」。
「こんな短期間で間に合うのかと思ったよね」。
「開発だけではなく、マニュアルをどうする、研修をどうすると、決めないといけないことが次々に出てきて大変でした」。

 「我々3人」とは、江東区総務部職員課人事係の塚越俊也氏、郷野崇氏、同区民部納税課の喜多学氏である。喜多氏は2011年3月まで人事係におり、塚越氏、郷野氏とともに勤怠管理システムの導入プロジェクトを担当した。

 新システムは江東区の職員3000人を対象にしたもの。出勤簿や休暇簿など紙を使っていた勤怠管理業務をコンピューター処理に切り替える。職員全員にかかわる大掛かりなシステムの導入だった。

 江東区は2010年2月に、勤怠管理システムの導入を決定、5年間で3億円の予算を計上した。システムの利用開始時期は2011年1月1日。新年度になる2010年4月からプロジェクトを始め、9カ月間でシステムの開発と導入、職員への研修をこなさなければならなかった。

 勤怠業務には詳しいものの、システム導入も大型プロジェクトも未体験であった3人だが、見事にプロジェクトを仕切り、1月1日に勤怠管理システムを動かすことに成功した。

 成功要因は、どのような機能のシステムを入れるのかを文書にまとめる「要件定義」をきちんと実施したことである。要件定義のために3人は、産業技術大学院大学の大学院生の力を借りるというユニークなやり方をした。

大学院生の研究として仕様書を作成

 人事係の3人と大学院生4、5人がチームを組み、3カ月間にわたって、江東区の勤怠管理業務の現状を調べた。

 続いて業務を分析し、必要になる情報システムの機能を整理し、結果をまとめて「RFP(提案要求仕様書)」を作成した。RFPは、IT企業に提示する文書で、IT企業はRFPを読み、求められているシステムを理解してから提案書を出す。

 産業技術大学院大学の学生にとって、江東区を支援する仕事は、修了研究に位置づけられていた。同大学院はいわゆる専門職大学院で、主に社会人の学生を受け入れ、情報システム学修士という学位を出す。

 学位を得るには、実際のプロジェクトを手がけ、その報告をする「PBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)を実施する。PBLが修了論文の代わりになる。

 同大学院産業技術研究科情報アーキテクチャ専攻の南波幸雄教授は、PBLにあたって、企業や組織の協力を得て、学生達に実際の業務を分析させている。

 南波教授は業務分析の手法として、「コンセプトデータモデリング(CDM)」を使う。「概念データモデリング」と呼ぶこともある。言葉はいかめしいが、要するにデータに注目して、企業や組織の業務の構造を明らかにする手法である。

 CDMを実施するには、業務に詳しい人にインタビューをしていく。その際に、使われているデータと、データ同士の関係を図(モデル)にまとめていく。

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