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大震災で注目、BCPで力を発揮

コストだけではない、高度な可用性と保全性を実現

  • 沼畑 幸二

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2011年8月30日(火)

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事業継続性を高めるために何をすべきか。
社会的責任として果たすべき義務とは何か。
それを遂行するために重要となる業務とは何か。
そのためにどの程度コストをかけるべきか。
そして――。

 東日本大震災をきっかけに、多くの企業で事業継続計画(BCP)をめぐる議論が活発化している。

 交通、通信インフラの断絶や食料、水、燃料などが不足する被災地の状況を目の当たりにして、私たちは非常時に企業活動を行うことの難しさと大事さを思い知らされた。当時を振り返って、「企業としての責任を十分に果たした」と胸を張れる経営者は多くはないだろう。

データをサーバーごと失った企業も

 一方で、事業継続のインフラとしての情報通信技術(ICT)の役割も、改めて強く認識されることになった。事務所や工場の一角にサーバーを置いていた企業では、その倒壊により情報システムが停止したケースも多い。被災地では、顧客情報や図面や設計図といったデータをサーバーごと失った企業もある。

 万一の事態に備えて導入していたはずの安否確認システムが、通信インフラの問題で機能しなかった例もある。震災直後には銀行での義援金対応や保険会社のコールセンターにおける電話対応など平時では想定していない大きな業務負荷もビジネスを混乱させた。急遽、業務時間を延長したり、コールセンターに数十、あるいは数百単位のシートを増設した企業は少なくない。

 関東圏では、計画停電の影響も大きかった。自家発電を持たない通常のビルにあるオフィスでは、バッテリーを持たないデスクトップパソコンは使えなくなった。受注センターでもデータセンターにある情報システムは稼働していながら、センターがあるビル自体が計画停電のため顧客からの注文を受けることができなかった。業務影響を少なくするため、急遽、自家発電装置を導入しようとしたが設備が在庫切れで工事がいつできるか分からない。これらは、関東圏で実際に起きたことである。

 情報システムがあるデータセンターが止まれば、その影響はさらに大きい。企業によっては、国内のデータセンターから国内全域の取引先や海外の拠点向けにサービスを提供しているケースも増えてきており、もしものことがあれば、被災していない地域に加えて取引先や海外でも業務が停止するリスクがある。日本に置かれたメールシステムをアジア諸国でも使っていれば、アジア全体のコミュニケーションに悪影響が及ぶだろう。

 メールシステムだけなら、電話などで最低限の業務を維持できるかもしれない。しかし、それが受発注や生産管理システムだったらどうだろう。アジアの拠点に被害はなくても、日本とアジアの全域で顧客の注文を受けられない、モノが作れない、出荷できないということが起きるかもしれない。

浮かび上がったデータセンターのリスク

 「ウチの情報システムは、自家発電設備を持つ耐震設計がしっかりしたデータセンターに置いているから大丈夫」と考えている経営者もいるかもしれない。確かに、今回の震災で顧客のシステムを止めてしまったデータセンター事業者の事例は聞かない。しかし、震災がデータセンターのリスクを浮かび上がらせたことも事実である。

 計画停電の際、自家発電のある自社のデータセンターを保有している企業では、全国の拠点などから首都圏に向けて燃料を送り、稼働を維持したという。燃料の残量を頻繁に確認しながら、冷や汗をかいたシステム運用者もいたに違いない。

 ユーザー企業の側でも心配が募った。1カ所のデータセンターだけで情報システムを運用している企業はなおさらだ。あるデータセンター関係者は、「お客様から毎日『燃料は大丈夫か』という確認の電話がかかってきた」と語っている。

 データセンター事業者がいくら燃料事業者との緊急供給契約をしていても、大規模災害時には他のデータセンターも同じ状況下であることから、供給能力が急減して燃料が回って来ないかもしれないし、今回のように道路の被害により燃料の配送ルートが途絶する可能性もある。しかも、データセンターの自家発電設備は、長時間運転を想定したものではない。ほとんどの場合、停電に耐えられる時間は長くても48時間または72時間程度である。いくら堅牢なデータセンターであっても、リスクをゼロにすることはできない。

 また、データセンターのバックアップサイトを用意していれば安心できるかというと、必ずしもそうとは言い切れない。

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