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ゆるキャラ「まんべくん」哀れな末路

「大企業も注目」が一転、「炎上マーケティング」で暴走

2011年9月7日(水)

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日経デジタルマーケティングは、『ソーシャルメディア炎上事件簿』(同誌記者・小林直樹著)をまとめた。このコラムでは、その関連記事を紹介していく。第1回は、企業のマーケティングにも活用された、ゆるキャラ「まんべくん」炎上について。

 10万人近いフォロワーを得て人気絶頂ともいえた北海道・長万部町の“ゆるキャラ”「まんべくん」。その公式ツイッターアカウントが8月16日、終戦の日に合わせて投稿した戦争に関するツイートをきっかけにネットでの炎上トラブルに見舞われ、アカウント停止に追い込まれた。

ニチレイの工場にも招かれたまんべくんだったが…

 フレンドリーさが特長のいわゆる“軟式”アカウントで、その影響力は、大手企業からも一目置かれる存在になっていた。今年1月3日、まんべくんが「オススメ → ニチレイ 本格炒め炒飯」とツイートすると、これに対して「食べたよ。美味しかった^^」「海老塩炒飯も一緒に買ってきました~」とフォロワーの間でニチレイの冷凍チャーハンが話題に上るようになった。

 ニチレイグループの主力事業会社であるニチレイフーズの通販子会社が、この動きをいち早く察知し、親会社に報告してまんべくん宛てに商品を発送。2月18日には、まんべくんを同社の工場に招待し、まんべくんがその様子を写真付きでツイートしたことで、フォロワーの間にもニチレイ商品のファンの輪が広がった。

 まんべくんがお気に入りの商品をツイートすれば売り上げが伸びる――。そんなまんべ流クチコミマーケティングの可能性さえ感じさせる現象だった。それだけに、「今回の件は悲しい結末でした。ただ、やはり行き過ぎていた感はあったので致し方ない気もします」とニチレイ関係者は肩を落とした。

“プチ炎上”しては「すまんべえ」と謝る

 昨年10月から始まったまんべくんのツイートは、実のところ最初から過激な発言がウリではなかった。フォロワーから「ど田舎の良さって」と問われると「住めば都」。「長万部のいい所は?」には「おいしい空気」。「かにめしおいしいよね!」には「店による」など、公式らしからぬ自虐を交えながら、ワンフレーズで小気味よく回答するテンポの良さが持ち味だった。

 そして、「自治体は腰が重い」などと毒づきながらも、毎朝寄せられるたくさんの「おはよう」ツイートに逐一「おはまんべーッ!」と挨拶を返し、悩みを相談すると「(⊃^-^)⊃ぎゅー」と抱きしめる絵文字を返す。1日のツイート数は約250件という対応のきめ細かさと、時折悪態をつく“ツンデレ”ぶりが話題を集め、フォロワーを増やし、魅了していった。

 ツイッターをはじめとするソーシャルメディアは、一般的にゆるいつながりやコミュニケーションに向いているとされる。その点、まんべくんとフォロワーの間の絆は、ほかの軟式アカウントと比べて深かったといえるだろう。まんべくんが実際に出張してファンと交流する「まんべ会」が全国各地で開かれ、数百人規模とはいえチケットが即日完売するほどの人気者になっていた。

 ところが、キャラクターの面白さがメディアでもたびたび紹介されるようになるにつれ、まんべくんは変節していった。それはもはや自由奔放という枠を超え、他者をおとしめることもいとわない、過激な毒舌へとエスカレートしていった。

 (人気声優を名指しで)「ストーカーするか…」「精神的に追い詰めるか…」「首締めてもいいッ?」
 「(人気女性タレントグループのメンバーも名指して)拒食症」
 「東京のお寿司は偽物」

 こうした問題発言を投下し、“プチ炎上”しては「すまんべえ」と謝る。すると、結果的に注目が集まってフォロワー数がグンと増える。不謹慎な言動を故意にすることで、批判と引き換えに注目を浴びる。いわゆる「炎上マーケティング」にすっかり味をしめるようになっていったようだ。

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「ソーシャルメディア炎上事件簿」のバックナンバー

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「ゆるキャラ「まんべくん」哀れな末路」の著者

小林 直樹

小林 直樹(こばやし・なおき)

日経デジタルマーケティング記者

2007年「日経デジタルマーケティング」の創刊に参画。現在同誌記者。1999年の東芝ビデオクレーマー事件の取材をきっかけに、ネット“炎上”案件の取材、執筆、講演がライフワークになっている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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