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ツイッターとfacebook、なぜ情報の拡散力が違うのか

第1回:ソーシャルメディアの仕組み

2011年9月13日(火)

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 8月、米グーグルが同じく米国の通信機器大手・モトローラ・モビリティを125億ドルで買収することで合意したと発表しました。これは、今後の通信業界にとって、たいへん大きな影響を及ぼす出来事だと思います。

 グーグルはご存じの通り、インターネット検索やWebメールなどを中心とする情報サービスに専念してきました。今回、携帯電話メーカーであるモトローラを傘下に収めることで、初めて製造部門を持つことになります。これにより、米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone」と同様の垂直統合モデル(注1)を進めることになるわけです。

注1)垂直統合モデル:ある事業において、バリューチェーンの上流から下流までを統合して1社で受け持つビジネスモデルのこと。アップルはハード、OS、アプリケーションソフト、販売とバリューチェーンのすべてを提供する垂直統合型モデルを採っている。全体をすり合わせて製品が作られるので、「使いやすい」ものが提供されることが多い。

 スマートフォン市場で、グーグルは基本ソフト(OS)「アンドロイド」を端末メーカーにオープンに提供し、水平分業モデル(注2)に徹してきました。モトローラ買収後は垂直統合モデルと水平分業モデルとを組み合わせた複雑なビジネスモデルをコントロールしなくてはなりません。シェアの小さな端末メーカーとの付き合いは後回しになっていく可能性があります。

注2)水平分業モデル:ある事業において、得意分野のみに絞って手がけるビジネスモデルのこと。複数の企業が各社の強みを生かして分業するため、多様性、柔軟性があるとされる。

 対する米アップルも新たなビジネスモデルの構築に迫られるでしょう。アンドロイドに対抗するため、iPhoneのOSを端末メーカーにライセンス提供するといった動きに出るかもしれません。日本の端末メーカーは合従連衡なども念頭に置きながら、激しい競争市場でどう勝ち残るかを考え、大胆な対応を考える必要があるでしょう。

 このように、変化の激しいIT(情報技術)市場で起きる出来事は、時に企業経営を大きく揺さぶります。ITに苦手意識を持っているビジネスパーソンでも、その世界で何が起きているか、企業や個人はどのように対応すべきかを知っておくことは極めて重要です。

 私は、「ITと経営」やビジネスモデルを専門に研究し、現在、早稲田大学ビジネススクール教授と同大学IT戦略研究所所長を務めています。この講座では、「ITと経営」を基礎から解説していきましょう。

 まず、取り上げたいのが昨今、話題に上ることの多いSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)やツイッターなどのソーシャルメディアです。

ジャスミン革命や英暴動で注目されたソーシャルメディアの存在

 8月、ロンドンを中心に英国各地で若者らによる暴動が起きました。「facebook」や「ツイッター」などのソーシャルメディアで暴動を煽る情報が広がり、混乱が大きくなったとされています。

 少しさかのぼれば今年1月、独裁政権を倒したチュニジアの民衆蜂起「ジャスミン革命」でもソーシャルメディアが大きな役割を果たしました。7月、中国の高速列車事故に対する人民の怒りが勢いを増したのもソーシャルメディアでの情報伝達が大きいとされています。事の善し悪しはともあれ、ソーシャルメディアが社会をも動かすほどの大きな存在となったことは間違いありません。

 では、ソーシャルメディアはなぜ社会を動かすほどの存在になったのでしょうか。それを理解するために、まずはソーシャルメディアの定義から見直してみます。

 ソーシャルメディアとは、「人と人とのつながり」を促進し、支援するネットサービスを指します。ここで言う、人と人とのつながりとして、私は「ソーシャルグラフ」と「バーチャルグラフ」という2種類に分けて考えるべきだと思っています。

 ソーシャルグラフとは知人・友人など、「知っている人」「会ったことがある人」を対象とする関係ネットワークです。学生時代の友人、元同僚など、たとえ長らく会っていないとしても、「どこの誰か」はわかっている人のつながりです。

 もう1つのバーチャルグラフとは直接は知らない、会ったことがないけれど、ネット上でつながっている関係ネットワークを指します。同じ趣味を持っていたり、相手が有名人で自分がファンであったりといった理由で、ネット上でバーチャルに構築された関係です。

 ソーシャルグラフ、バーチャルグラフとも含めた「人と人とのつながり」の間に立つメディアを「ソーシャルメディア」と言います。その中で、SNSは、ソーシャルグラフを対象とするサービスのことを指すとするのがいいと思います。

コメント2件コメント/レビュー

 ミクシィをソーシャルグラフ性が高いと判断すると、足をすくわれる要因になります。なぜならば、ミクシィの20万~200万番までのユーザーの過半は、その時期に閉鎖されたニフティーサーブから大挙「亡命」してきたニフティ難民だからです。亡命が成立したのはニフティの中でもソーシャル性が高いユーザーでしたので「ソーシャルグラフ性がそこそこあるバーチャルグラフ層」という珍しい属性の「集団」が(フォーラム単位で)ミクシィに移住した事により、ミクシィの中に完成度の高いコミュニティが百単位で立ち上がり、その後の隆盛の基礎となったのです。(2011/09/13)

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「ツイッターとfacebook、なぜ情報の拡散力が違うのか」の著者

根来 龍之

根来 龍之(ねごろ・たつゆき)

早稲田大学ビジネススクール教授

早稲田大学ビジネススクールのディレクター(統括責任者)と早稲田大学IT戦略研究所所長を兼務。ITと経営、ビジネスモデルなどを研究テーマとする。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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 ミクシィをソーシャルグラフ性が高いと判断すると、足をすくわれる要因になります。なぜならば、ミクシィの20万~200万番までのユーザーの過半は、その時期に閉鎖されたニフティーサーブから大挙「亡命」してきたニフティ難民だからです。亡命が成立したのはニフティの中でもソーシャル性が高いユーザーでしたので「ソーシャルグラフ性がそこそこあるバーチャルグラフ層」という珍しい属性の「集団」が(フォーラム単位で)ミクシィに移住した事により、ミクシィの中に完成度の高いコミュニティが百単位で立ち上がり、その後の隆盛の基礎となったのです。(2011/09/13)

インターネットの仕組みなど分かりやすくて良かったです。人はコミュニケーションをしたがる生き物であり・・・・というくだり そうだと思います。過疎地で人口減少に悩み、高齢化の進む土地にいますが、インターネット機能をこんな地域の活性化に活かしたく思っています。(2011/09/13)

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