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伝えていいか悪いかは、実社会でもネットでも同じ

第2回:ツイッター禍を防ぐ。企業のソーシャルメディアとの向き合い方

2011年9月16日(金)

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 第1回では「人と人とのつながり」を促進し、支援するネットサービスであるソーシャルメディアがなぜ、社会を動かすほどの影響力を持つようになったのか、その背景を説明しました。第2回は、ソーシャルメディアを企業はどう活用すべきかを解説しましょう。

 第1回で説明した通り、「facebook」や「ミクシィ」は知人・友人など「知っている人」のつながりである「ソーシャルグラフ」を中心的背景としたサービスであり、「ツイッター」は直接は知らないけれど、ネット上でつながっている「バーチャルグラフ」を中心的背景としたサービスです。

 ソーシャルグラフでは情報はそれほど素早く、大規模には伝わらない代わりに、無責任な情報が流れることも少なく、荒れにくいという特徴があります。facebookには企業がユーザーとコミュニケーションを取るためのオープンなネットワーク「facebookページ」がありますが、荒れることは少ないので、企業としては安心して使えます。facebookは基本的に実名で登録する仕組みなので、利用者属性が把握できる面もメリットと言えるでしょう。

 一方のバーチャルグラフでは情報は一気に拡散していきます。短時間で大勢の人に告知するのには適していますが、無責任に情報が流れていく面もあります。したがって、場合によっては必ずしも正しくない企業にマイナスな情報が拡散することもあり得るので注意が必要です。

 マイナス情報が飛び交ってしまった場合、発信した情報が誤りだったなど企業自身に問題がある時には、即座に訂正し、謝罪することが必要です。しかし、一方的な流言飛語・中傷などの場合は、放って置いた方が良い場合もあります。対応すればするほど、面白がる人の間で盛り上がり、火に油を注ぐことになるケースもあるからです。流れている情報が、企業にとって致命的な事象なのかどうかを見極める必要があります。
ツイッターの場合、利用者自身による情報訂正も期待できます。間違った情報も拡散しますが、それを正す情報も利用者は流してくれます。震災の際も、情報の間違いを指摘する情報がすぐに流れました。

「無菌状態」はかえって危険

 ソーシャルメディアでは企業に勤める従業員が情報を漏らし、問題になってしまう騒動も後を絶ちません。最近では、有名高級ホテルの従業員がツイッターに芸能人の宿泊情報を投稿したり、スポーツ用品店の従業員が来店したJリーガーらを中傷したりするような書き込みをしたことがネット上で批判を浴びました。

 こうした問題が起きると、企業の経営者はソーシャルメディアに“恐れ”を感じ、従業員に対して「利用禁止」を言い渡したくなりかもしれません。しかし、ソーシャルメディアは現在、多くのユーザーの日常生活に浸透し、情報源としての存在感も増しています。利用を禁じて「無菌状態」に置く方がずっと危険であり、望ましくないと思います。

 大前提として、「世の中にトラブルは必ずある」と考えることです。報じられやすい、話題になりやすいトラブルというものがあって、今はツイッターのような新しいメディアを介したトラブルが必要以上に目立つということがあります。芸能人のツイッターでのつぶやきがトラブルに発展するケースも出ていますが、これだって、昔からある「告白本」で秘密を暴露するのと同じともいえます。

 しかし、異なる側面もあります。従業員が来店客の情報を漏らすというようなことは、今までもあったことです。ただ、友達、家族など周囲の人間にとどまっていたのであまり影響がなかった。バーチャルグラフを背景とするツイッターのようなメディアを通すと、その情報がスピーディに拡散する。加えてマスコミに報じられやすい。報じられことで、さらにツイッターでも情報がいきかう。こういう新しいメディアと古いメディアの総合作用で、今は非常に目立つ事件となってしまうわけです。こういう現象は、ソーシャルメディアが発達する前に、企業告発サイトでも起こりました。

 新しいメディアと古いメディアのループ構造で情報が拡大拡散されていくと、場合によっては大きなダメージを及ぼす危険性もあるので、企業も注意することが必要ですが、対応の方向性としては、ソーシャルメディアの利用そのものを禁じることではなく、構成メンバー一人ひとりにリテラシーを身につけさせることだと思います。

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「伝えていいか悪いかは、実社会でもネットでも同じ」の著者

根来 龍之

根来 龍之(ねごろ・たつゆき)

早稲田大学ビジネススクール教授

早稲田大学ビジネススクールのディレクター(統括責任者)と早稲田大学IT戦略研究所所長を兼務。ITと経営、ビジネスモデルなどを研究テーマとする。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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