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リチウムイオン電池で「負け」は許されない

大型有機ELパネルの量産で、韓国は日本に先行した

  • 宮田 秀明

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2011年9月9日(金)

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 1カ月余り前に、「韓国のLG電子が有機ELの大型パネルを量産するための大型投資をする」とのニュースが流れた。有機ELは、エレクトロニクス産業にとって目前に具体化している新商品で、大きなマーケットが期待されている。

 しかし、量産化とパネルの大型化には課題が多そうで、しばらく足踏みが続いていた。そんな状態での韓国の最有力企業の発表だった。

 韓国企業にこんな形で先を越されるのは、日本にとってほとんど初めての経験だろう。これまでは、日本が先頭を切って事業化を進め、世界のリーダーを務める。何年か後に韓国や中国、台湾にキャッチアップされ、追いこされてしまうというのが典型的なパターンだった。このようなパターンに陥らないために、人材流出や知的財産の管理、経営における新しい戦略が必要だと考えられてきた。

 だが、事態はもっと深刻になっているようだ。日本にとって製造業の空洞化は生命線を断つことに近い。大変な事態だ。

 有機ELの産業戦略で、韓国に敗北しそうな原因は何か? 技術力なのか? 経営力なのか? 答えはもちろん両方だと思う。

 5年ぐらい前に全国の大学で電気工学科・電子工学科の人気が急落した。日本のエレクトロニクス産業の将来を若者が悲観したことが第1の理由だ。第2の理由は、この産業分野の技術者が苦労の割に報われない、これまでの仕組みの悪さだろう。

200兆円市場への成長が見込まれるリチウムイオン電池

 有機ELパネルの次の有望商品は定置利用型のリチウムイオン電池だと思う。日本の産業戦略の中核にリチウムイオン電池産業の育成を据えるべきだろう。この産業の規模を、日経BPクリーンテック研究所は、年当り100~150兆円になると予測している。

 電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の量産は、2009年~2010年に日本で始まった。例えば日産のEV「リーフ」は月産1000台からスタートした。生産のペースは10倍以上に高まるだろう。全体としてみても、EVのビジネスは民間ビジネスとして自然に成長するステージに入っていくだろう。

 次は定置利用型のリチウムイオン電池の開発・実証・普及である。国内では、大震災と、それに伴う計画停電と電力不足によって、蓄電の必要性が急速に認識されてきた。

 定置用二次電池の利用には二つの方向性がある。一つは、自然エネルギー発電装置によって生産される電気の不安定さを解消する用途である。自然エネルギー発電はこれから確実に増えていく。しかし、天候次第の気まぐれさと大きな変動を伴う。ある程度以上の規模の自然エネルギー発電には蓄電装置が必要不可欠である。

 もう一つは単なる電気の貯蔵である。目的は停電に対処するためだったり、安い夜間電力を利用するためだったり、契約電気容量を小さくするためだったり。個々の住宅も集合住宅も、オフィスビルも事業所も、対策のため色々な工夫を凝らそうとしている。

 電力事業者や都道府県や市町村が、もっと大規模に蓄電設備を導入する動きも出てきそうだ。夜間に蓄電して昼間に放電することは、新たに発電所を建設することに等しいからだ。再生可能エネルギー発電の大量導入を待たなくても、これから10年ぐらいは蓄電だけでも大きな効果を生み出すことができる。

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