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三陸には三陸の、福島には福島の復興プランがある

太陽光発電の「集中型」と「分散型」を使い分ける

  • 宮田 秀明

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2011年9月16日(金)

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 東北の被災地を訪れる時は、東北新幹線とレンタカーを組み合わせての移動になる。陸前高田市と大船渡市を訪れる時は、水沢江刺駅で新幹線を降り、クルマで山越えして向かう。いつも同行するのは東日本未来都市研究会の事務局長の植村公一さんと事務局員の野本勝さんだ。一度は急きょ研究員としてメンバーに加わった山村友幸さんと4人の旅になったこともある。

 最近は私が山越えの運転手を務めることが多くなった。いつも運転してくれていた野本さんは結局まだ夏休みは1日も取ってないし、深夜まで仕事をしているので、運転してもらうのは気の毒だ。睡眠不足で危険かもしれないとも思う。こういう時、大学自動車部出身の私は運転に慣れている。野本さんが運転する車の助手席にいるより、運転席にいる方がずっと楽だ。

相馬市でソーラー発電を役立てる方法

 ある縁で、8月下旬に福島県相馬市を訪れた。白石蔵王駅で新幹線を降り、同じようにレンタカーで相馬市へ向かった。山越えではないのだが、同じような田舎の風景の中を1時間余りドライブした。

 相馬市役所での説明会に出席する前に被災地を見に行った。相馬市の中心部は海から離れているので被災していないのだが、臨海部の被災地は約20平方キロと広大だった。被災地は住宅地と農耕地が半分ずつぐらいの割合だった。

 もし、10平方キロを農耕地として再興するとしても、残りの10平方キロの利用法は難しい。既に建設制限措置が取られているので、地権者の方々の大半は「買い上げてほしい」という意向だ。つまりもうここには住みたくないのだから、買い上げる前提で利用法を考えなければならない。

 この10平方キロの土地で太陽光発電事業を行うとすると、最大1ギガワットの規模になる。現在世界に存在する太陽光発電所の最大のものは100メガワット程度だから、その10倍になる。

 1ギガワットのソーラー発電所の年間発電量は相馬市の電力需要の2倍ぐらいになるだろう。しかも、太陽光発電は天候次第で気まぐれだから、発電量がピークになった時には相馬市の需要の10倍ぐらいの電流が流れる可能性がある。相馬市の電力網に連結すると、火災と停電が発生せざるを得ない。つまり1ギガワット規模の大規模太陽光発電を相馬市が地産地消的に使うことは現実的ではないのだ。

 3~8ギガワット時の二次電池を使った蓄電設備を設ければ、相馬市の電力のほとんどを地産地消的に使うモデルも成立しなくはない。しかし、自然エネルギー発電のみでつくる地産地消電気エネルギーシステムの経済合理性は本来高くない。天気次第で気まぐれな発電が経済合理性を著しく損なうのが原因である。

 相馬市の場合はもっと賢い選択肢がある。隣接する新地町にある200万キロワットの相馬共同火力発電所のサブシステムとしてギガソーラー発電所を接続するプランである。1ギガワットのソーラー発電所は15万キロワット程度の火力発電所に相当するから、ソーラー発電量は相馬共同火力発電所の最大発電量の7~8%程度になる。広範囲の需要地に向けての送電網が既に整備されているので、大きな問題が発生する可能性は少ない。

 相馬市のケースは福島県全体の復興のあり方に一つの示唆を与えると思う。

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