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セブン-イレブンの日販はなぜ高いのか

第3回:「データ経営」成功の秘訣

2011年9月28日(水)

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 最近、「ビッグデータ」という言葉が注目されています。ビッグデータとはテキスト、画像、動画などの多種多様かつ大容量なデータを意味し、さらに最新のデータマイニング(注1)手法によってリアルタイムにそれを深く分析し、その結果を活用することがセットになっています。ビッグデータをどのように処理し、ビジネスに活用していくかが、小売業やサービス業を中心とした企業の競争力を左右し始めています。

注1)データマイニング:マイニングとは「採掘」を意味する。データマイニングとは、「すぐにはわからない、自明でない傾向法則を巨大データから抽出すること」。

 第1回第2回の「IT経営講座」ではソーシャルメディアを取り上げ、その仕組みや企業経営への活用について解説しました。今回は「データ」をキーワードに、IT(情報技術)経営のあり方を説明します。

 まず、IT経営の歴史において、データ「処理」からデータ「活用」への流れがどう進んできたのか、時代時代のキーワードとともに振り返ってみます。

 コンピューターが企業に登場したのは1960年代前半にさかのぼります。当時は「EDPS(electronic data processing system=電子情報処理システム)」と呼ばれ、給与計算、生産管理、会計など定例的・定型的に発生するデータを処理し、省力化(労働力の削減)、正確な作業、迅速化を図るために導入されました。当時のコンピューターは、「事務機械」と言われたものです。

 60年代後半になると、コンピューター業界では「MIS(Management Information System=経営情報システム)」がキーワードとなります。工場の機械稼働率、品質情報の確認、販売状況の把握など、経営レポートの作成のためにも、コンピューターが使われるようになったのです。ただし、この時代のレポートは、前もってレポート内容の項目が設計されて時間をかけて構築されたシステムによって出力されていました。また、処理対象は、定型的(繰り返し行われる業務の定量的)なデータでした。

 ここまで、データは「処理」されるものでしたが、70年代後半に「DSS(decision support system=意思決定支援システム)」が登場すると、データを「活用」するという意識が出てきました。社内で発生した様々なデータを、その時々の分析のために、非定例的に加工し、経営意思決定に生かすという観点が生まれたのです。ただし、この時点での「加工」とは、メインフレーム(大型コンピューター)に記録されている生産・営業データを取り出して、いろいろ区分を変えて集計するというイメージのものでした。

 その後、80年代前半に、オフコン(オフィスコンピューター)やパソコンの普及で「OA(office automation=オフィスオートメーション)」の時代が到来します。コンピューターが安価になり、非定型な作業を含め、あらゆる業務の生産性向上に使われるようになりました。

 一方、80年代半ばには「SIS(Strategic Information System=戦略的情報システム)」という言葉が生まれ、それまで専ら人手の省力化、作業の効率化・迅速化のために使われていたコンピューターが、経営戦略の一部に組み込まれて「競争力」向上のために使われるようになります。ただし、この時代のSISとは、実際には専ら代理店などへの端末設置による「取引先の囲い込み」を意味していました。

 90年代前半、「BPR(Business Process Reengineering)」が注目されるようになりました。BPRとは情報システムを使って、業務プロセスを抜本的に改革し、効率・生産性を高めていくことを意味します。当初のBPRは社内で完結していましたが、それを企業と企業の間にも発展させる「SCM(Supply Chain Management)」もIT経営の大きなテーマとして浮上していきます。

 SISやBPR は、定例的なデータ(繰り返し行われる業務)に関する情報システムを対象にしていました。DSSで生まれた、「非」定例的なデータ分析が、ふたたび注目されるようになったのは、90年代後半です。大きな節目となるキーワードとして「CRM(Customer Relationship Management=顧客管理)」が出てきました。ITを活用して、企業が顧客との間に長期的・継続的で「親密な信頼関係」を構築していくのがCRMです。社内で集めた顧客データ、販売データなどを基に、売り方を変えたり、商品・サービスの中身を変えていく。つまりデータの「活用」に光が当たるようになります。今でも、ビジネスシーンでデータ活用と言った時には、CRMを指すことが多いと思います。

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「セブン-イレブンの日販はなぜ高いのか」の著者

根来 龍之

根来 龍之(ねごろ・たつゆき)

早稲田大学ビジネススクール教授

早稲田大学ビジネススクールのディレクター(統括責任者)と早稲田大学IT戦略研究所所長を兼務。ITと経営、ビジネスモデルなどを研究テーマとする。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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