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「コロプラ」が作ったO2Oの流れ

第4回:位置データを活用した新サービスに注目

2011年10月5日(水)

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 前回は「データ経営」というテーマで、主に企業経営における営業情報・販売情報に関するデータ活用のあり方について解説しました。今回は、ちょっと趣の違う話として、新しいデータである「位置情報」を活用することで生まれつつある新サービスを取り上げたいと思います。

 この連載の第1回第2回で、「人と人とのつながり」には「ソーシャルグラフ」(知人・友人など、「知っている人」「会ったことがある人」を対象とする関係)と「バーチャルグラフ」(直接は知らない、会ったことがないけれど、ネット上でつながっている関係)があるという説明をしました。これらとは異なる、人と人、人と企業、人ともの、とのつながりとして、「ローカルグラフ」と「インタレストグラフ」というものがあります。

 ローカルグラフとは、現実世界の「場所」「位置」を共有する関係を、一方のインタレストグラフは「興味」「関心」などをキーにした関係を指します。どちらも最近、登場してきた言葉です。後者の代表例は、購買履歴を使ったリコメンデーションや、口コミコミュニティーです。

 数年前から、位置や場所のデータを活用し、ローカルグラフに光を当てる新サービスが続々と登場してきています。今後、GPS(全地球測位システム)機能を搭載したスマートフォンの普及とともに、我々の生活に深く浸透するサービスになっていくでしょう。位置データを活用した新サービスが増えることで、ビジネス界にも様々な影響が及ぶだろうと思います。

 では、ローカルグラフを使った具体的なサービス事例を見てみましょう。現時点では、日本で最も普及している、消費者向けの位置情報活用サービスは「位置ゲーム」です。国内では、ベンチャー企業のコロプラ(東京都)が運営する携帯電話向けゲーム「コロニーな生活☆PLUS(コロプラ)」が成功例になります。

 コロプラのユーザーは、携帯電話のGPSを使って移動距離を記録します。1km移動するごとにゲーム内の仮想通貨「1プラ」が得られ、このプラを使って携帯電話の中に施設を建て、人口を増やし、「コロニー」と呼ばれるバーチャルな街を作っていくというのがゲームの内容です。ユーザー数は約200万人とされています。

 コロプラが画期的なのは仮想空間とリアル空間とを融合させたゲームであることです。ゲームユーザーというと、家にこもっている姿を想像しますが、コロプラの場合は移動しなくてはコロニーを発展させられませんから、引きこもり型の人には向きません。

 さらに、移動を促す仕掛けとして、全国のおみやげ屋や鉄道会社、旅行会社などとの提携を進めている点も特徴的です。ユーザーはコロプラの提携店舗で規定額以上の買い物をすると、「コロカ」というカードがもらえ、そのカードに記載してあるシリアル番号を入力すると、そこでしか入手できないデジタルアイテムを入手できます。デジタルアイテムをコレクションしたいユーザーは、全国各地の提携店舗を訪ねて買い物をすることになります。ネット上のサービスが、リアルビジネスの売り上げを増やす仕掛けになっているのです。提携する企業は、コロプラを販売促進の一環として活用できるわけです。

 現在(2011年9月8日)、提携店舗は115店。コロプラは「旅費をかけてでも訪れるべき日本の良いものを提供している店舗」というコンセプトで提携を進めています。提携店舗の中には1カ月で1500人以上が来店したり、初日だけで300人が来店するようなケースが続出し、現在は月に300~400件の問い合わせ、申し込み希望が来ているそうですが、コロプラはこのモデルでの提携店舗を上限200店舗と考えているようです。

 これまでのネットビジネスの思想は「ヒトを固定化させ、モノを移動させる」というものでした。コロプラの思想は全く逆です。「モノを固定化させ、ヒトを動かす」ことを実現しています。広告モデルに頼らず、ユーザーが提携店に行って商品を買い、コロカを入手すると、一定額がコロプラに入るという収益モデルを確立したのも画期的で、国内発のゲームモデルとして、世界に誇れるサービスだと思います。

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「「コロプラ」が作ったO2Oの流れ」の著者

根来 龍之

根来 龍之(ねごろ・たつゆき)

早稲田大学ビジネススクール教授

早稲田大学ビジネススクールのディレクター(統括責任者)と早稲田大学IT戦略研究所所長を兼務。ITと経営、ビジネスモデルなどを研究テーマとする。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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