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「通年採用できませんか」“シューカツ”に悩む大学生から企業に提案

「新卒一括採用」は悪しき一極集中の典型

2011年10月4日(火)

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 本欄における「一極集中」とは極度の偏りや歪みがもたらす問題を指す。ある大学生のグループから「取り上げてほしい一極集中の問題がある」と申し出があった。

 その問題とは「新卒一括採用」である。

 大学生たちは『日本の「一極集中」、新卒一括採用』と題した文章と同じ題名のプレゼンテーション資料を送ってきた。

半年間で人生設計を決めてしまってよいのか

 プレゼンテーション資料は次のように始まる。表記の一部は修整してある。

◆日本では現在、就職募集・応募・面接の時期が大学3年生の夏休みから春休みに集中している。早期化・短期化に歯止めがかかっていない。

◆このやり方にはメリットもある。学生は短期間で大切なOB・OG訪問を数多く行え、就職に関する情報が集中的に入る。専門とは無関係の職種の入社試験も受けることができる。企業の人事採用課が費やす労力も少なくて済む。

 続いて次の1文が赤字で強調表示されている。

◆だが半年間で人生設計を決めてしまってよいのだろうか?

 プレゼンテーション資料の中には「なぜ日経BPで一極集中一括採用を取り上げるべきなのか?」と題された1枚が入っていた。そこには3点の理由が書かれている。

◆学生からの意見提示
 新聞・雑誌などで専門家・コラムニストがこの問題を提起することは今までにあったが、今回はさまざまなバックグラウンドを持った学生の視点から問題を投げかける。

◆読者層が20代~40代のビジネスパーソン
 ビジネスパーソンが読者であり、現時点での改革を推進する力が高い。さらに読者が将来の人事採用を担う可能性もある。

◆オンライン上で意見交換が可能
 それぞれの企業が持つ事情や採用の現状、個人の意見を交換し合うことで、より新しい発見があるかもしれない。

 ごもっともである。それでは送られてきた文章を掲載する。

日本の「一極集中」、新卒一括採用

 夏休みになると、日本のほとんどの大学3年生たちはまるで何かにとりつかれたように、ある単語を繰り返し始める。

 「シューカツ、シューカツ、インターン、シューカツ、インターン」。

 シューカツとは就職活動、インターンとはインターンシップの略である。

 経済不調の影響により元来、3年生の秋冬から4年生の初めにかけて始まっていた就職活動は年々早期化し、今の大学3年生たちは夏休みに入ると有名企業のインターンシップ(企業体験)に始まり、企業説明会への出席、エントリーシートの提出、企業OB・OG訪問、面接に追われる。

 冬から春にかけて面接試験に進んだ学生たちは「シューカツで」を理由に大学の講義を受けなくなり、一部の大学教授たちの立腹を買っている。学業もままならぬまま、大学生は嫌々シューカツに振り回されている。

 一方、企業は募集時期を自ら早めておきながら、優秀でスキル・知識・専門性のある大学生を求め、面接に訪れる大学生達の質に落胆し憤慨する。

 なぜ「ニッポン式の採用はだめなのか?」。学生、大学、企業のそれぞれの視点からディスカッションしてみた。 

コメント47件コメント/レビュー

以前海外留学をしており、新卒一括採用については当時苦しめられました。他の多くの留学生も同様だったと思います。私が感じた現在の採用方法の問題は、卒業1-1年半前に全員が志望する企業を決め就職活動を始めなければいけないという期限が強制されており、その他の選択肢が非常に限られているということです。学生は何も就活が始まるまで自分の将来を考えていないわけではないが、自分の専門を深く学んだり留学を経験したりする前に将来の目標を決定して就活をするのは酷である。大学3年生から4年生で様々なことを経験した上で将来の目標を具体的に落としていき、就職先を決めていくという選択肢を社会が準備してもいいのでは。その方法の一つが新卒限定の撤廃ではと感じました。学生自身に考えさせることも大切ですが、企業側でも何かやれることがある気がします。人事とは畑違いの仕事ですので検討違いのコメントかもしれませんが、企業と学生がお互い納得感のある就職を進めるには、まず学生本人が将来の目標を納得するまで考える環境が必要なのでは。そしてそのことが離職率を下げることにつながり、企業にとってもメリットがあるのかと。(2011/10/08)

「一極集中を超える方法」のバックナンバー

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「「通年採用できませんか」“シューカツ”に悩む大学生から企業に提案」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

以前海外留学をしており、新卒一括採用については当時苦しめられました。他の多くの留学生も同様だったと思います。私が感じた現在の採用方法の問題は、卒業1-1年半前に全員が志望する企業を決め就職活動を始めなければいけないという期限が強制されており、その他の選択肢が非常に限られているということです。学生は何も就活が始まるまで自分の将来を考えていないわけではないが、自分の専門を深く学んだり留学を経験したりする前に将来の目標を決定して就活をするのは酷である。大学3年生から4年生で様々なことを経験した上で将来の目標を具体的に落としていき、就職先を決めていくという選択肢を社会が準備してもいいのでは。その方法の一つが新卒限定の撤廃ではと感じました。学生自身に考えさせることも大切ですが、企業側でも何かやれることがある気がします。人事とは畑違いの仕事ですので検討違いのコメントかもしれませんが、企業と学生がお互い納得感のある就職を進めるには、まず学生本人が将来の目標を納得するまで考える環境が必要なのでは。そしてそのことが離職率を下げることにつながり、企業にとってもメリットがあるのかと。(2011/10/08)

一括採用への一極集中を避けてみるのはどうでしょうか?育成が必要な新卒者が3年で30%も辞めてしまっては企業にとってはハッピーではない。社会人の方から「甘い」というご指摘もありますが、学生にとっても今の一括採用はハッピーではないようです。では、30%を少しでも下げるために、企業は学生は大学は何をすべきなのか。企業と学生のお互いが求めるものを出し合う。それも「優秀な人材が欲しい」ではなく具体的に出す。学生も「通年採用で機会を増やしてほしい」ではなく、どうすれば納得した上で就職できるかを話す。大学は「授業を休まないこと」ではなく、学業に欠かせないことを話す。そうすれば落とし所も見つかるかも。(2011/10/08)

大卒新入社員の29.4%は3年で離職するそうです。原因は一括採用だけではないでしょう。私は「採用は現場で」が良いと考えています。人事では履歴書チェックや筆記試験の部分に留め、実際の面接は現場が担当する。営業でも、経理でも、ITでも良いと思います。若い面接官には「この人を育てたいか?」「一緒に仕事をしたいか?」という視点で評価してもらい、管理職の面接官には「将来性」や「人間性」を重点的に評価してもらう。「この人は私が責任を持って育てるので採用してください」という欄があっても良いかもしれません。こうすると個対個の関係が生まれやすくなり、入社後も「私はxxさんに面接してもらいました」などという会話から仲間意識が生まれやすくなると思います。現場でも人を見るという任務が若いうちから課されるので、良い訓練になるでしょう。地方の学生もその土地の営業所での面接が出来ます。お互いの納得感が上がれば離職率も下がるかもしれません。ただ、この案は多忙な現場を巻き込むため、イベント式の一括採用は難しいと思います。現場の仕事を平均化する必要があります。その代わり人事の仕事が減るので通年採用なら出来るかも。(2011/10/08)

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