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プロジェクトを進めるには人と人とのつながりが大切

被災者の真のニーズを見極めるため改めて人間関係を構築

  • 宮田 秀明

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2011年10月14日(金)

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 大学の教員なのに同僚である教員の方々と話す機会が少ない。過去10年ぐらいは平均して5%ぐらいしか大学の教員の方とお話しする機会がなかったと思う。95%の確率で民間企業の方とお話していたということである。産学連携のプロジェクトばかりに取り組んできたからだ。今年は、学外の方とお会いする割合が98%ぐらいに高まっているかもしれない。大学に勤務する最後の年なので、大学の人事委員会に出席する必要もなくなった。

 商品開発や新しいビジネスモデルの開発など様々な産学連携のプロジェクトを行ってきた。ほとんどの場合、私のパートナーはいつも学生だった。大学院修士課程の学生と学部の4年生である。優秀な学生に恵まれてきたのだが、そうはいっても学生は学生だ。プロジェクトの重要なところに学生たちの作業の結果をそのまま適用することは危険なことが多い。結局最後は任せることができなくて、私が細かいチェックを行わなければならないことが多かった。

 部下は素人の学生が中心なのに、世界を引っ張る大きな仕事をしようとしてきた。学生の立場のまま「責任とリスク」を負わせ、社会人直前の彼らを成長させようとしてきたのだが、これがなかなか難しい。学生諸君は鍛えられただろうが、振り返れば私のストレスと負担は大変だった。

 アメリカズカップのプロジェクトの時も例外ではなかった。「テクニカルディレクターである私の部下の技術者はみなヨット技術のプロ」と言いたいところだが、実態は全く違っていた。半分以上が学生のような素人だった。そして、実際に彼らが主力メンバーを務めた部分があった。

 ただし、素人が参加することは必ずしも悪いことではない。その道のプロではない素人が、その道を変えるような大きな成果を上げることはよくあることだ。しかしこれは、たくさんのストレスと負担と責任とリスクを背負う有能なリーダーがいなければ成立しない。

人と人との関係がないと復興案は上滑りする

 今は、大船渡市、陸前高田市、住田町から構成される気仙広域連合の復興をシンクタンクとしてお手伝いしている。「二次電池社会システム研究会」の会員企業の方々と4月から様々な復興プランをつくって、現地の地方公共団体の方々に説明を繰り返してきた。6月以降は「東日本未来都市研究会」の企業の方々もメンバーに加わった。

 さらに8月、幸い、新しいプロジェクトメンバーが2人加わった。つまり学生ではない社会人の部下が4人になったのだ。はっきり言って日本のトップレベルの能力を持った4人だ。4人になって、この東北復興支援プロジェクトのマネジメントはアメリカズカップのプロジェクトの時に似てきた。

 9月の初めから、プロジェクトの進め方を少し変えることにした。復興案が具体的になるほど、被災地の現場との気持ちの乖離が心配になってきたからだ。9月5日だったと思う。新たに加わった4人のうち3人に、9月12~14日の3日間現地に滞在して人と人の関係をつくり、地元の人の本当の気持ちを知り、色々なWIN-WIN関係をつくりながら復興することを考えてもらった。

 彼らは地元の有力者が提供してくださった宿舎をベースとして、行政担当者に紹介していただいた地元の様々な方にヒアリングを実行した。東京でつくった復興プロジェクトが上滑りしては復興が失敗してしまう。32歳と36歳と42歳の3人のチームはたった3日間であるにもかかわらず、たいへん効果的な活動をしてくれた。

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