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“ハルシオン飲み会”の後始末

日本新薬、お詫び文の読後感が悪いわけ

2011年10月20日(木)

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 日経デジタルマーケティングは、『ソーシャルメディア炎上事件簿』(同誌記者・小林直樹著)をまとめた。このコラムでは、その関連記事を紹介していく。

 第4回は日本新薬の“ハルシオン飲み会”事件。一般消費者と直接接することのないBtoB(企業間)系企業も“炎上”とは無縁ではいられない。医薬品メーカーの社員が、飲み会で睡眠導入剤を酒に入れたエピソードを投稿し、大炎上に。会社としての対応は早かったものの、言い訳ばかりのお詫び文は不評を買った。

 ネット炎上事件が起こるリスクは、業種によって、また企業の知名度によって差がある。誰もが社名を知っている大企業、有名商品の製造販売元でコトが起これば、無名の会社で同様のことが起こった場合より話題になりやすく、その分叩かれやすい(関連記事)。

 また、ソーシャルメディア利用率が高い学生アルバイトや若手社員を多く抱え、店舗で直接、顧客と接する、例えば飲食業、小売店舗などもリスクが高い業態と言えよう。

 特に展示会イベントなどに出展するため、出展ブースで対応する短期アルバイトを雇う場合は、従業員教育を十分にする余裕がないだけにトラブルを起こしやすい。例えばコスプレイベントなどで来場客のことを、ブログで「きんもーー☆」と揶揄したアルバイトスタッフがネット上で集中砲火を浴びるようなケースが、ツイッター普及以前からたびたび起きていた。

 百聞は一見にしかず。ツイッターで「客 むかつく」「客 ムカつく」「客 イラつく」などのキーワードで検索してみてほしい。店員のイラだち、愚痴が頻繁に書き込まれている。

 もちろん、中には横柄な態度の客もいるだろう。しかし、「匿名なのでバレない」と思い込んで陰口を書き綴ってそれがエスカレートすると、しっぺ返しを食らうのは自分であり、所属する会社である。過去の“つぶやき”や、よく対話する相手が公開しているプロフィル情報、登録されているリスト名、同じアカウント名で実名登録している他のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などから、投稿者の所属先は案外たやすく判明するものだ。そして匿名従業員の放言・暴言が、企業の炎上事件へと発展してしまう。

 では、一般消費者と店頭などで直接接することがないBtoB(企業間)ビジネスを手がける企業で、組織人としての自覚もあるはずの正社員なら比較的安心か…。そうとも言えない事件が起きてしまった。

医薬品従事者が薬物乱用まがいの悪ふざけ

 「うちの社員、仲良い薬局からハルシオンの後発まとめ買いして飲み会の時に酒に入れたりしてるしな。危険過ぎ。」

…こんな投稿をして、会社の同僚と思われるアカウントから、その目的を問われると、

 「飲み会(泊まり)での悪戯です(笑)てか一歩間違えたらスーフリ並の犯罪なのに... さすがに女子には飲ませてませんでしたが、飲まされてた上司は超しんでましたよ。」

…これに先のアカウントが不快感を示すと、

 「いや、悪ノリすぎですよね。すみません。K課長とかも一緒になってやってたし。Twitterで公表することでも無いので早めに削除します。」

 ツイッターで無防備にもこんな投稿をしたアカウントの主は、プロフィル欄に実名とともに、「26歳女子。某製薬会社の医薬情報担当者」、そして居住地に多摩方面の地名を記していた。ネット利用者が、この実名を基にフェイスブックで検索すると、該当するアカウントのプロフィルには、勤務先として日本新薬、居住地にツイッターのプロフィルと同じ多摩方面の地名、そして誕生日や出身大学の卒業年次から、「26歳女子」と一致し、本人があっという間に特定された。

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「ソーシャルメディア炎上事件簿」のバックナンバー

一覧

「“ハルシオン飲み会”の後始末」の著者

小林 直樹

小林 直樹(こばやし・なおき)

日経デジタルマーケティング記者

2007年「日経デジタルマーケティング」の創刊に参画。現在同誌記者。1999年の東芝ビデオクレーマー事件の取材をきっかけに、ネット“炎上”案件の取材、執筆、講演がライフワークになっている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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