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機能美を感じる~グランドデザインはあなたが描く(3)

優れた全体像は細部まで美しい

  • 谷島 宣之

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2011年12月15日(木)

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 「何度言っても分からないか。日比谷公園に行って木がどうなっているのか見てこい」。

 石川島播磨重工業(現IHI)で大型タンカー建造を指揮し、社長を務めた後、NTTの初代社長になった真藤恒氏はNTT時代、とあるプロジェクトチームを前にこう言った。

 必要な要件を聞いて取りまとめ、それらをコンピュータープログラムとして記述していくやり方では駄目だ、あらかじめ汎用のプログラムをモジュールとして設計しておくべきだ、と叱った時のことだ。

 木は1つの全体である。細部を見れば枝や葉という構成要素があり、それらが組み合わさって木になっている。枝や葉を取り出すと、それらが木の一部だと分かる。コンピュータープログラムも同じようにあるべきだというわけである。

 真藤氏は経営や技術の舵取りについて示唆に富む語録を多数残した。代表的なものが『歩み』という非売品の書籍に収録されている。真藤氏の薫陶を受けた有志と日経BPビジョナリー経営研究所は「真藤恒の技術経営研究会」を設け、語録を巡る意見交換を重ねている(関連記事「真藤恒の技術経営を学ぶ」)。

 現在、研究会は主に設計(デザイン)に関する語録を読み進めている。その一つを紹介する。

 すべてに言えることであるが、ある技術をベースにして、それにタイム・ファクターをかけて、それに合うように物を集めて、それから人の力をそれに加えて、一つの物ができる。(中略)設計というのは美の追究がないとだめである。美というものは、ハーモナイゼーションから出てくるものである。

 真藤氏の設計論は造船の現場から生まれたものだが、NTTという通信サービス企業に応用された。ものづくりの設計論であるとともに、サービスや経営まで含めた「すべてに言える」グランドデザイン論になっている。

 真藤氏が設計に関してよく使っていた言葉に、バウンダリー(環境)とパターン・モジュールがある。それぞれ全体像、構造・構成要素を指す。つまりグランドデザインのことである。

 設計に当たっては、何のために何を作るのか、バウンダリーを定義しなければならない。同時にそれまでの実績を生かして汎用性と信頼性の高いパターン・モジュールを用意する。

 それらを組み合わせることで、顧客の注文に柔軟に応えながら、しっかり動く成果物を提供できる。その成果物には「ハーモナイゼーション」から出てくる美がある。

美しい木と葉と枝を描く

 語録に次の痛烈な言葉が見える。

 客先の要求が出るからパターンはできないというのは、バカの言うことである。逆にパターン・モジュールができているから、客先の要求は容れられないとつっぱねるのも、バカのやることだ。

 「客先の要求」通りに作る“顧客一極集中”を続けていても利益は増えない。といって“利益一極集中”に切り替え「それはできません」と言い続けていたら客足は途絶える。

 こうした一極集中を超えるために、バウンダリーとパターン・モジュールというグランドデザインが不可欠になる。

 木と葉の両方が必要である。美しい木の概要を描いただけでは、生きた木(機能する成果物)を実現できない。木を飾るために美しい葉を集めてきて貼ったとしても、やはり生きた木にはならない。

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