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あえて労働集約~グランドデザインはあなたが描く(6)

人間にしかできない仕事

  • 谷島 宣之

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2011年12月20日(火)

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 労働集約(Labor Intensive)という言葉は現在、あまり良い意味で使われていない。機械あるいはコンピューターで代替できない仕事をやむを得ず人海戦術でこなす、生産性や利益率がなかなか上がらない、といった印象を与える。

 だが三菱東京UFJ銀行の畔柳信雄会長は次のように語る。

 「IT(情報技術)産業は人類最後の労働集約産業です。ITに関わるソフトの仕事だけはシステムエンジニア(SE)がやるしかないから」。

 畔柳会長は人間の力を最も発揮できる仕事を労働集約と呼んでいる。つまり「SEの仕事に対する敬意」(畔柳会長)の表れである。真意を語ってもらったので少々長いが紹介する。

「システムエンジニアは天職」

 人類は色々なことに工夫を凝らし、道具を進歩させてきた。自動車は走る道具であり、今のITは、考える道具、情報を集め整理する道具、コミュニケーションの道具と言える。

 道具が良くなった結果、道具の方が本流になり、人は使うだけになっていく。都市生活を見ると皆が道具を利用する立場になり朝から晩まで利便性を享受している。だが使うだけになると人間力はどうなるのか、そこが問われる時代になった。
 
 同時にすべての裏に(ITの)ソフトあり、という状態になっている。製品が一つ出来上がるまでにITが裏で何かやっている。海外で何かをする際にITで指示を出す。

 それではそのソフトをどう作っているのかというと必ず人間にぶつかる。それがSEである。あらゆるものがIT化していくこの世で最後の最後に人間がやらざるを得ない、人間らしい仕事になる。

 だからSEは天職だと申し上げているし、人間力の回復という点においてもSEが重要だと思う。考える力がここでこそ発揮されないといけない。

 畔柳会長は情報システム部長やシステム担当役員を務めたことがあり、SEへの思い入れが相当にある。このためITやSEに関心のない方にとって畔柳会長の発言は奇異に感じられるかもしれない。

 だが、「IT」を「技術」や「制度」、「SE」を「グランドデザインの担い手」と読み替えれば普遍的な発言になる。

 SEの仕事の中心は業務システムと情報システムの設計(デザイン)であるから、上記のように読み替えて差し支えない。

 社会やビジネスの領域で自動化や機械化、IT化が進んでいるが、そこにおいて人間が何をするか、その全体像は人間でしか描くことができない。

行き過ぎた分業を見直す

 ITの世界では今、少数精鋭のSEが同じく少数精鋭の利用者とともに1つの部屋に集まって、システムの要件定義、プロトタイプの開発と確認を繰り返し行う開発手法が注目されている。行き過ぎた分業を見直し、1人のSEが設計から開発まで、できるだけ広範囲な仕事をしようという動きである。

 ITの様々な分野ごとに専門職を作ってきた結果、1つの仕事をするために多くのSEが参加しなければならなくなり、個々のSEは部分の仕事ばかりする傾向があった。

 専門性を高めたがゆえに全体が見えなくなるという問題は一極集中の1つであり、IT以外の仕事においても起きている。

 この問題への対処の1つはグランドデザインを描く活動をすることだが、もう一点、専門の周辺にある、手を動かす仕事に関わっていくことが欠かせない。

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