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10月入学と大学の競争力を考える

優秀な人材が報われる制度にして人材力の向上を!

  • 宮田 秀明

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2012年3月2日(金)

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 東京大学が提案した10月入学案が注目を集めている。これは1つの制度の変更である。入学・卒業の時期を欧米の大学に合わせようという取り組みだ。しかし制度を変更するだけでは、競争力を取り戻すことはできないだろう。

 日本の大学の国際競争力は落ちる一方である。日本のGDPの推移と似ている。私の感覚では、過去20年間、日本の大学の国際競争力は落ち続けている。

 海外から来る留学生の質を見ればよく分かる。かつては中国の数学オリンピックで入賞した学生が東大に留学していた。韓国からは、ソウル大やプサン大の卒業生が東大の大学院を目指していた。だが現在は、そのような韓国からの留学生は激減し、東大キャンパスには約700人の中国人大学院生が学んでいる。すべてと言うわけではないが、彼らの学力レベルは総じて高くない。中国の大学ランキング100位以下の大学の卒業生が東大の工学系大学院に入学することも珍しくない。総じて彼らは英語力が高いので、それだけで入学できたりする。

 現在では、中国なら北京大、精華大、復亘大、韓国ならソウル大やプサン大の学生が東大の大学院を目指すことは少ない。これらの優秀な大学の学生は第1に米国、第2に欧州を目指す。もちろん米国や欧州の学生が東大の大学院を目指すことは元々ほとんどなかった。

 この理由は、大学院の入学が4月だからではない。実際、東大工学部の大学院は、留学生向けに少なくとも年2回、9月と2月に入学試験を行っている。入学は4月と10月から選べる。入学時期が留学生にとって不都合などころか、たいへん丁寧な対応をしている。

10月入学のメリットとデメリット

 私たち教員にとって入学試験はかなりの負担だ。問題作成、試験、採点、面接。そしてこれらに関わるたくさんの作業と会議がある。工学部教員の場合、センター入試、大学入試、年2回の大学院入試、さらに高専編入試もある。

 問題作成は大変な作業だ。オリジナルで、かつ適切な問題の作成は困難を極める。採点も重労働である。採点室に閉じ込められて、入学試験の「数学」の1問だけ、1500人分の回答を採点する。すべてをこなすのに丸3日間はかかる。ダブルチェックどころか、トリプルチェックを行うからだ。ある年、花粉症の症状が重い時に採点作業をしたことがあった。鼻水が答案の上に落ちそうになって苦しかった。

 こんな入学試験の時期と入学の時期が統一されれば、大学全体のアドミッションの仕組みは進歩するだろう。

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