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戦わなかったのか? 戦い方を間違えたのか?

絆だけで被災地の復興は成功しない

  • 宮田 秀明

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2012年3月23日(金)

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 三菱重工神戸造船所が消える。かつての横浜造船所は「みなとみらい」に変わって久しい。IHIの豊洲の造船所も相生の造船所も今は無い。日本の造船業の凋落傾向は静かに進行して、今はとめようがないぐらいだ。

 私は長く、日本造船業のためにたくさんの仕事をしてきた。日本の造船業のために戦ってきたと言ってもいい。2011年に学士院賞・恩賜賞を頂いた研究は、船の波に関する科学的な研究だ。これが性能の良い船の設計につながった。コンピューター科学を駆使して、船の形を設計する方法を造船各社に広めたのも私だ。高速旅客船という全く新しい商品の開発で、文字通り陣頭指揮を執ったのも私だった。アメリカズカップのプロジェクトは産業とは関係ないが、日本の海の文化を高めることに貢献したと思う。

 それでも退潮傾向が止まらない日本造船業界が2000年、技術開発面における大きな方向性を獲得するため、日本造船工業会の中に造船技術戦略会議を設けた。私が議長を務めた。初めて韓国にシェア首位の座を明け渡した翌年のことだった。

 同戦略会議において、たくさんの技術戦略を提示した。しかし、造船工業会の技術委員会、つまり造船大手企業のCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)の集団は、議長である私にこう言った。

 「先生のおっしゃることはよく分かります。でも私たちには力がありません」

 戦線を離脱してしまったのだ。戦いに臨むことを拒否したのだ。その後どうなるかは自明だった。造船業は景気変動が激しい産業なので、その直後に一瞬良い局面が見えたことがあった。しかし、転落への大きな流れは誰にもとめられなくなっていた。

 企業にとって、戦いのかなりの部分は、新しいビジネスモデルまたは新しい商品モデルの創造に挑戦することだ。生産性の向上も大切ではあるが、それだけで競争に勝てた例はほとんどないと言っていい。

 赤字企業が増えたエレクトロニクス産業界は本当に戦ってきたのだろうか。日産自動車が一人勝ちしているものの、全体に精彩のない自動車産業界はどうなのか。日本企業は今、本当に戦っているのだろうか。優れた経営者がいて、優れた社員がいるはずなのに、韓国企業の後塵を拝するシーンが増えている。韓国企業に負けているのは「戦う心」ではないのだろうか。

創造に挑戦し続けた35年間

 創造に挑戦すると、責任とリスクが必ず発生する。それを、自分が背負わなければならなくなる。これは大変なことだ。しかし、責任とリスクを取って創造に挑戦し、成果を上げた時の喜びは人生最高のものになるだろう。

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