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第7回 なぜ、時価総額がディズニー、トヨタをも超えそうなのか?

今さら聞けないフェイスブックの疑問に答えます

2012年5月22日(火)

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 このようにフェイスブックには9億人超、つまり全人類の7人に1人という膨大なユーザー数を抱え、圧倒的に長い利用時間を誇る。フェイスブックが「もうひとつのインターネット」と言われるのもうなずける。だからこそ、上場を機にフェイスブック株に多くの金が集まるのだ。

ユーザー情報を基にした強力な広告

 もうひとつ、フェイスブック株に多くの金が集まる理由は、2つの大きな収入源にある。ひとつは広告収入、もうひとつはゲーム関連の収入だ。

 フェイスブックは収入の大部分は、オンライン広告である。2011年の総収入は約37億ドル、純利益は約10億ドルだった。収入の内訳を見ると、2012年の第1四半期では82%が広告収入だ。

 フェイスブックの広告事業での圧倒的な強みは、細大漏らさずユーザーの情報を知っていることにある。たとえばユーザーAさんがプロフィールの趣味欄に「ジョギング」と記入し、マラソン大会の記事にたびたび「いいね!」ボタンを押したとする。するとAさんのニュースフィード(最新情報が表示されるページ)には、ジョギングシューズやランニング・ウェアの広告が表示される。Aさんがジョギングシューズのメーカーが運営するページで「いいね!」ボタンを押すと、Aさんの友だちのタイムラインに「Aさんがこのページをいいね!と言っています」とそのページへのリンクが表示される。友だちが興味を持っていることに興味を持つのは自然なので、クリック率はバナー広告よりはるかに高くなるというわけだ。

 フェイスブックのもうひとつの収入源はゲームだ。フェイスブックゲームの人気は、ジンガというフェイスブックゲームのトップ企業が先駆けて上場を果たしたことからもわかるだろう。フェイスブックゲームは、フェイスブックの友だちと対戦し、ゲーム内広告やさまざまなバーチャル・グッズで収益を上げるという点では、日本のDeNAやグリーなどが提供するソーシャル・ゲームと基本的には同じ。フェイスブックはゲーム内広告およびグッズの売上からコミッションを得ている。

 ソーシャル・ゲームの威力は、グリーの時価総額が約3300億円、DeNAが約3000億円前後に達していることからも感じてもらえるのではないだろうか。もちろんグリーやDeNAとフェイスブックでは、サービスの本質もビジネスモデルもサービス地域もまったく異なる。しかし、モノを売るわけでないソーシャル・ゲームなどのサービスが、オンライン上で多くのユーザーを集めることで企業価値を評価されるということを実感できる例だろう。

急成長の背景にあるザッカーバーグの先見性

 実はフェイスブックは、ソーシャル・ネットワーク企業としては後発に属する。そのフェイスブックが勝ち残って急成長し、大成功できたのは、なんと言っても先見性、機略、強固な意思など創立者マーク・ザッカーバーグの個性と能力によるところが大きい。

 最初の大規模なソーシャル・ネットワークはフレンドスターで、2002年にシリコンバレーで誕生すると数カ月のうちに300万のユーザーを集めた。しかしユーザーの急増にシステムの処理能力が追いつかず、ユーザー体験を大きく損なうことになる。2003年にロサンゼルスで誕生したマイスペースが若い世代の間に人気を呼び、2005年にはソーシャル・ネットワークのトップに踊り出て、ルーパート・マードック率いるニューズ・コーポレーションに約5億8000万ドルで買収される。これがソーシャル・ネットワークが世界的な注目を浴びる最初の事件となった。フェイスブックがスタートしたのは、マイスペース全盛時代の2004年だった。

 一方、2004年当時、ハーバード大学では学生の間にオンライン学生名簿を作ってほしいという要望が強くなっていた。しかし大学当局はプライバシー保護上の懸念を理由になかなか腰を上げようとしなかった。当時ハーバード大学のコンピュータ学科の2年生だったマーク・ザッカーバーグは「オンライン名簿作りくらい簡単だ。プライバシーが心配だというなら学生に自分で写真や経歴をアップロードさせればいい」と考える。そして自分でプログラムを書いて大学の寮の部屋から「ザ・フェイスブック」というウェブサイトを立ち上げた(後に「ザ」を外して「フェイスブック」に改名する)。

「天才 「フェイスブック」の読み方」のバックナンバー

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「第7回 なぜ、時価総額がディズニー、トヨタをも超えそうなのか?」の著者

滑川 海彦

滑川 海彦(なめかわ・うみひこ)

IT分野の評論と翻訳を手がける。ITニュースブログ「TechCrunch Japan」翻訳チーム。著書に、『ソーシャル・ウェブ入門』(技術評論社)ほか、訳書に『フェイスブック 若き天才の野望』など。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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