第7回 なぜ、時価総額がディズニー、トヨタをも超えそうなのか?

今さら聞けないフェイスブックの疑問に答えます

 米国現地時間の5月18日、フェイスブックがナスダックに上場した。フェイスブックは上場の前週に入ってから、人気を受けて売り出し価格を引き上げて38ドルとし、株数を25%も増やした。今回の上場ではフェイスブック自身が1億8000万株、既存株主が2億4000万株を売却した。上場初日の終値は売り出し価格をわずかに上回る38.23ドル、時価総額は1048億ドル(約8兆3000億円)となった。初日の値動き自体は予想されたより地味な展開となったが、それでもNTTドコモの約5兆5000億円、ディズニーの約6兆2000億円、アマゾンの約7兆7000億円さえ抜いて、トヨタ自動車の10兆4000億円に迫る時価総額だ。

 創立8年のインターネット企業がディズニー(約6兆3000億円)を上回り、トヨタ自動車(約10兆円)に迫る時価総額となることには、アメリカでも「バブルではないか」という声が上がっている。しかし、中期的にはフェイスブックの時価総額はグーグル(約16兆円)なみに上昇してもおかしくないとする分析もある。

 フェイスブックには、なぜこれほど金が集まるのだろうか? なぜこれほど急速に成長したのだろうか? そして、それを率いるマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)とは何者なのか? この3つの疑問に答えていこう。

全人類の7人の1人が使う圧倒的な規模

 フェイスブック株にこれほどの金が集まる理由は、その圧倒的な規模とビジネスの可能性にある。

 フェイスブックは、史上もっとも巨大な組織のひとつである。上場申請書で公表されたユーザー数(月間サイト訪問者数)は約9億100万人。中国の約13億、インドの約12億という人口に肩を並べる数字だ。人口当たりの普及率はアメリカではすでに50%を超え、ヨーロッパの主要国でも20~50%を記録している。アジアでもインドネシアには約4200万人のユーザーがおり、普及率は17%だ。中国ではフェイスブックへのアクセスが制限されているが、将来この制限が解かれれば、さらに数億のユーザーが加わることになるだろう。ITU(国際電気通信連合)が先ごろ発表したレポートによると、世界のソーシャル・メディアの利用人口は約10億人だという。つまり、世界のソーシャル・メディア・ユーザーの10人に9人は、フェイスブックを少なくとも月1回訪問していることになる。

 数だけではない。ほかのインターネット・サービスに比べて、フェイスブックはサイト利用時間がきわめて長いのも特徴だ。2011年5月にニールセンが実施したアメリカのウェブサイトの調査によれば、フェイスブックの月間利用時間は約535億分で、2位のヤフーの約172億分、3位のグーグルの約125億分を大きく引き離している。ほかのサイトではニュースを読む、検索するなどの「用事」を済ませるだけなのに対して、フェイスブックではサイトを常時開いたままにして、いわば滞留型で利用するユーザーが多いのだ。

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著者プロフィール

滑川 海彦

滑川 海彦

IT分野の評論と翻訳を手がける。ITニュースブログ「TechCrunch Japan」翻訳チーム。著書に、『ソーシャル・ウェブ入門』(技術評論社)ほか、訳書に『フェイスブック 若き天才の野望』など。

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