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トップがセールスする米国、表敬訪問する日本

米国人CEOを顧客の日本人社長に会わせたくない理由

2012年8月2日(木)

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 トップセールスという言葉があるように、米企業の経営トップは時折顧客を訪問し自社の製品やサービスを自ら売り込む。CEO(最高経営責任者)はもちろん「C」が付く経営幹部はたいてい営業ができるものだ。日本企業もトップセールスという言葉を使うことがあるが実態は大きく異なる。

 米企業の経営トップが来日して日本の顧客を訪問しようとした時、日米の違いが際立つ。米企業のトップは日程で空いている時間帯があると「重要な商談はないか。セールスに行こう」と言い出す。

 ところが米企業の日本法人が難色を示す。「先方の社長の日程が合わない」「あの案件は足を運んでいただくところまで進んでいない」。四の五の言っていると親会社のトップから「やる気があるのか」と雷を落とされることもある。

「あの無能な人物は本当に社長なのか」

 日本法人が嫌がる理由はいくつかある。まずは日本の顧客がトップセールスを受け入れないことだ。重要な商談であればあるほど、顧客の現場担当者が「話が固まっていないのにCEOに押しかけられても困る」と拒絶する。「うちの社長、英語は全くダメですから」と断ってくる場合もある。

 そもそも顧客の日本企業トップは米国からCEOが来ることを表敬訪問としか受けとめていないことが多い。米企業のCEOが日本の顧客や取引先の社長に会い、社長室を出てエレベータに乗った瞬間、同行した日本法人の責任者に「今の人物は本当にトップなのか。あんな無能な人物でいいのか」と思わず聞いたという話を時折耳にする。

 顧客の社長に会ったCEOはここぞとばかりに自社製品の優位点を強調して迫るわけだが、表敬訪問だと思っている日本企業の社長はジャパニーズスマイルで応じ、込み入った話になると同席している部下を振り返り、「どうなっている」と聞いたりする。

 拍子抜けした米企業のCEOは「話にまともに応えない。具体的なことはすべて部下に聞く。こいつは無能だ」と思い込む。早とちりであるが、時には早とちりでないこともある。

 結果があらかじめ見えているから、日本法人の責任者や営業担当者は親会社のトップが来日時にセールスに行くことを止めようとする。そのうちに米国側のトップは日本企業の社長に会っても話にならないことを理解する。すると来日時にトップセールスしようと言わなくなり、最後にはアジア方面に出張に来ても日本に立ち寄らなくなる。

怒っている顧客には行きたくない

 米企業の日本法人が親会社のトップセールスを嫌がるもう一つの理由として、CEOの訪問を強く求める顧客の存在がある。最初の理由と正反対だが、要するに「お前の親会社のトップを呼んでこい」という日本の顧客がおり、そこには連れて行きたくないのである。

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「トップがセールスする米国、表敬訪問する日本」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BPビジョナリー経営研究所

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者、2009年1月から編集長。2013年から現職。プロジェクトマネジメント学会員、ドラッカー学会員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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