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境界にうるさい米国、曖昧にしたい日本

オーナーシップは本来誰にでもある

2012年9月3日(月)

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 「君の質問の意味がよく分からない。私の担当範囲について聞いているのか。それとも当社全体について聞いているのか」

 駈け出しの記者の頃、米企業の事業責任者や製品責任者を取材していて上記のように聞き返されたことがしばしばあった。

 担当している領域と行使できる権限の範囲内であればよどみなく質問に答えてくれるが、そこを越える、あるいは越えるかのような質問には答えてくれない。

 そこで米国人を取材する際には「あなたの任務と責任について確認させてほしい」と最初に頼むようにしている。その上で取材の後半に「あなたの責任範囲ではないが、これこれしかじかについてどう考えるか」と敢えて聞いてみたりする。

 「個人の意見だが」と前置きして答えてくれる場合もあるし、「それは○○に聞いてよ」と言われることもある。○○にはその企業のCEO(最高経営責任者)の愛称が入るのが普通だ。

 とにかく彼、彼女らは何事においても境界をはっきりさせている。「ここからここまでが自分の仕事であり、遂行するためにこういう権限がある」と明確に認識している。

現場の人をオーナーとは呼ばない

 米国でよく使っていながら適切な日本語訳が見当たらない言葉は多いが、オーナーシップはその一つである。直訳すれば、所有者たること、つまり何かを所有している人が持つべき姿勢や態度を指す。

 米国人は目に見えないものにもオーナーを決める。例えば「このビジネスプロセスのオーナーは誰々」「マスターデータの修整にはオーナーの許可が必要」と言ったりする。

 プロセスやデータのオーナーはオーナーシップを発揮し、プロセスやデータを表現するモデルを記述するとともに、その品質に責任を持ち、改善策を考え、実行を依頼する。プロセスやデータを修整する際には、オーナーに申請しなければならない。

コメント8件コメント/レビュー

コラムを読んで国境線のことに思いが及んだのは私だけだろうか。かつて米国はカナダとの国境線を確定させるために膨大な労力を払ったと聞く。結果、今では、両国民は殆ど意識しないで往来できるそうである。一方で、日本は尖閣といい竹島といいその場しのぎで主張をあいまいにしてきた結果が今日の有様に至っている。異質な者同士かつ必ずしも好意的でない人たちに囲まれて物事を進めていく場合には、米国流の境界をはっきり定めて曖昧にしないやり方が優れているのではないか。(2012/09/03)

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「境界にうるさい米国、曖昧にしたい日本」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

コラムを読んで国境線のことに思いが及んだのは私だけだろうか。かつて米国はカナダとの国境線を確定させるために膨大な労力を払ったと聞く。結果、今では、両国民は殆ど意識しないで往来できるそうである。一方で、日本は尖閣といい竹島といいその場しのぎで主張をあいまいにしてきた結果が今日の有様に至っている。異質な者同士かつ必ずしも好意的でない人たちに囲まれて物事を進めていく場合には、米国流の境界をはっきり定めて曖昧にしないやり方が優れているのではないか。(2012/09/03)

ヨーロッパ圏はどうなんだろうと、ふと思いました。(2012/09/03)

アメリカ企業には作業標準書が必ずある。一般的にはフローチャートと詳細な記述書で構成されていて、その内容を承認する人(プロセスオーナー)がいる。一方日本の「あの人に聞けばなんでも分かる」は熟練の作業者であり、部門責任者ではない場合がほとんどで、そのノウハウは文書かされていなかった。「神様」と呼ばれる事はあってもその知識を関係者に展開することはせず、聞いてくるのを待っている。レストランで比較すると分かり易い。外資系のレストランの厨房で料理を作る人は料理学校での訓練がなくてもマニュアル通りに作れば客に出せる。下ごしらえはセンターで機械を使って処理され、各店に配送される。 日本式のレストランでは皿洗いから始まって、材料の下ごしらえ等を長期間担当し、最終加工や皿への盛付けはなかなかやらせてもらえない。材料の仕入れも同様である。欧米のレストランでも高級料理店は日本と同じ様な方式なのだが、ファミリーレストランは殆どが「マニュアル」式だ。日本式が結果的に値段が高い料理になってしまう。その結果近年は欧米流に習った方式を取り入れている店も少なくない。言わば「素人料理」をレストランで食べている。値段も家で材料を買って作るのと大して変わらない程安いのだから「極上の味」は望むべくも無い。最近の若い世代は初任給は良いものの、その後の昇給が無いので高級レストランに食べに行く機会は前の世代と比べると格段に少なくなっている筈だ。今や豊かとは言えない日本でミシュランガイドが東京以外に関西用も出版されている。いずれミシュランガイドに紹介された料理店ですら顧客の減少で閉店せざるを得ないものが増えて来るだろう。その代わりにマニュアル通りに作られた料理を出すチェーン店は増えて行く。後10年程は高度成長期の恩恵を受けている世代が現役で残っているが、それ以降は「何年勤続でも給料が殆ど上がらない」人達が大方を占める世の中になる。贅沢出来るのは昇進によって高い給料を得ている人達に絞り込まれて行く。その様な世の中になった時に日本はアメリカ型社会に脱皮するのだろうか。(2012/09/03)

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