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福島原発で活躍する国産ロボット(その2)

2012年9月10日(月)

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 福島第1原子力発電所に3度にわたり送り込まれてきた、千葉工業大学未来ロボット技術研究センターのロボット「Quince(クインス)」。被災地入りしていた小柳栄次副所長を筆頭とするチームが、東京電力の技術開発研究所から「出動」の打診を受けたのは3月15日のことだ。その福島への出動の前にチームが駆けつけたのは、三菱化学鹿島事業所(茨城県神栖市)だった。

千葉工業大学未来ロボット技術研究センター、小柳栄次副所長と2012年7月12日に発表された「Quince」の後継機である過酷災害対応ロボット「Rosemary」。(写真:山根一眞)

 鹿島事業所は、エチレンなどの石油化学製品を製造している。地震の発生後、全プラントは安全に停止できたが、津波の襲来によって港湾インフラ設備は大きな損傷を受ける。小柳チームへは、事業所の東部地区と港湾を挟んだ対岸の間に敷設してある海底トンネル内の状況を知りたいという打診があったのである。

 3月17日、現地入りした小柳さんらは、三菱化学のエンジニアとロボットによるトンネル調査の可能性を討議する。海底トンネルは両岸に縦坑があり、螺旋状の階段でトンネル本体に降りる構造だ。このトンネル内には可燃性の中間物を送るパイプが通っているのである。そのトンネル内にロボットを入れると、地上からはロボットと通信する電波が届かないという問題がある。そこで、2つの案が出た。

 1つは、トンネル内を進むロボットに電波が届くようアンテナを縦坑の上からトンネル面まで下ろす方法。もう1つは、トンネルの図面を基にロボットが正確なルートを移動できるプログラムを組み、それをあらかじめロボットのコンピュータに入力、ロボットが遠隔操作を受けずに「自立して移動する」方法だ。このあたりも、小惑星探査機「はやぶさ」の「イトカワ」着地と同じ技術だなと思う。

 最終的に三菱化学は、「人」によってトンネル内の確認を行う方法を選んだ。小柳さんによれば、まず、トンネルの片方の縦坑の蓋(重量約20トン)から不燃性の窒素ガスを送り込んだところ、反対側のトンネルの縦坑の蓋から同じ窒素ガスが出たため、水没がないことを確認。可燃性ガスの漏洩があってもトンネル内を窒素で満たしたので爆発の危険はなくなり、空気ボンベを装着した作業員が内部に入り被害のないことを確認できたのだという。

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「福島原発で活躍する国産ロボット(その2)」の著者

山根 一眞

山根 一眞(やまね・かずま)

ノンフィクション作家

ノンフィクション作家として先端科学技術分野の熱い人間像を描き続ける一方、3.11被災地支援活動も人生の大きな柱です。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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