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ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国

長年の難問への対策、諦めず小さいところから

2012年10月12日(金)

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 物事に大きな影響を与える前提なのに案外知られていない。その一つがコンピュータソフトウエア投資とソフト開発技術者の所属先に関する日米の差である。

 日本企業は自社で利用するソフトのほとんどをIT(情報技術)企業に開発させているのに対し、米国企業はソフトを内製する比率が高い。

 日本のソフト開発技術者の大半はIT企業に所属するが、米国のソフト開発技術者の大半はIT企業ではなく一般企業に所属している。

 上記二つの文は同じことを言っている。日本企業は社内にソフト開発技術者をあまり抱えていないためIT企業に外注するが、米国企業は社内にソフト開発技術者がおり内製できる。

 「ほとんど」「高い」「大半」では曖昧なので数字を補足する。米国商務省経済分析局の数字によると、2010年の米国民間企業におけるソフトウエア投資の内訳は、内製(自社開発)が37.3%、外注(他社委託)が34.2%、パッケージソフト購入が28.5%であった。3分の1ずつとも言えるが内製の比率が一番高い。

 内製と外注をカスタム開発と呼ぶ。各企業の個別要求を盛り込んでソフトを開発するからだ。一方、パッケージソフト購入はIT企業が事前に開発しておいたソフトを買って利用するやり方である。

 日本については内製の数字がなかなかつかめない。いささか古いが2000年に経済産業省が出した鉱工業生産活動分析に「情報化関連投資における内製ソフトの推計と日米比較」という章があり、それを見ると、日本のソフトウエア投資の内訳として、外注が7割前後、内製が2割弱、パッケージ購入が1割強と算出されている。先に記した「ほとんど」は「7割前後」ということになる。これから10年以上が経過しているが、筆者の感覚では内製が増えているという印象はない。高まっている気がするのはパッケージソフト購入の比率である。

米国のIT技術者はIT企業にあまりいない

 技術者の所属先に関しては、IPA(情報処理推進機構)が2011年3月に出した『グローバル化を支えるIT人材確保・育成施策に関する調査』報告から引用する。

 2009年のIT技術者数は日本が102万6000人、このうち25万5000人が一般企業に属し、77万1000人がIT企業に属している。これに対し米国のIT技術者数は330万3000人、このうち236万2000人が一般企業に属し、94万1000人がIT企業に属している。

 つまり、日本の一般企業とIT企業のIT技術者人数比は25対75。米国の一般企業とIT企業のIT技術者人数比は72対28となる。

 IT技術者のすべてがソフト開発技術者ではないが所属先の傾向は分かる。「日本のソフト開発技術者の大半はIT企業に所属するが、米国のソフト開発技術者の大半はIT企業ではなく一般企業に所属している」と書いたときの「大半」は「約7割」になる。

コメント15件コメント/レビュー

ソフトの内製・外製の話しではないと思います。何が付加価値を生んでいるのか、です。報告書なら手書きでもワープロでも見た目以外は同じでしょう。ソフトで作られた結果が重要なら過程や手段であるワープロソフトを自前で作る必要はありません。予約システムは予約メールの返信が付加価値でしょうか?予約のシステムから運行までスルーした行動が付加価値でしょう。付加価値が高い部分だから自前で作るのです。日本では付加価値と価格がまったく対応してませんが、海外ではある程度リンクします。考え方の相違ですね。(2012/10/18)

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「ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ソフトの内製・外製の話しではないと思います。何が付加価値を生んでいるのか、です。報告書なら手書きでもワープロでも見た目以外は同じでしょう。ソフトで作られた結果が重要なら過程や手段であるワープロソフトを自前で作る必要はありません。予約システムは予約メールの返信が付加価値でしょうか?予約のシステムから運行までスルーした行動が付加価値でしょう。付加価値が高い部分だから自前で作るのです。日本では付加価値と価格がまったく対応してませんが、海外ではある程度リンクします。考え方の相違ですね。(2012/10/18)

昔から言われていた問題点の数値的な根拠が記事になりましたね。要は、自分が必要としている物は、自分にしかわからない。という当たり前の事実に起因した問題だと思います。ですが、コミュニケーションという高コストな代物を軽視しているのが日本の経営者(もどき)ですから、そう簡単に状況は改善されないのでしょうね。(2012/10/17)

日ごろ感じていた疑問が解けました。「雇用しているソフト開発技術者数は米国の10分の1」なるほど、だからソフトが分かる幹部(経営者)が日本の企業には非常に少ないわけです。1人の幹部を育てるにはそれなりの裾野が必要なはずです。それにしてもこの差は大きいですね。IT能力が企業の経営を決めるような時代に日本企業の大きな弱点に思います。▽思い切って、アウトソーティングした企業から幹部を迎えるようなことをする企業がでてくれば光明がみえるような気がしますが、難しいでしょうね。(2012/10/17)

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井上 礼之 ダイキン工業会長