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崖っぷちの「はやぶさ2」、一体どこへ向かうのか?

新宇宙開発計画案、公表される(その2)

2012年12月19日(水)

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 前回、情報公開の一例として宇宙政策委員各人の「はやぶさ2」への態度を検証したので、今回は「はやぶさ2」に代表される太陽系探査に関する問題を取り上げる。小惑星探査機「はやぶさ」は2010年6月の劇的な帰還により国民的人気を得て後継機を待望する声も強い。すでに「はやぶさ2」の実機開発も始まっている。

 にも関わらず、またも(そう、またもだ)「はやぶさ2」の開発予算は崖っぷちに立たされている。来年度予算編成方針案は「はやぶさ2については、対象とする小惑星への軌道投入時期等も考慮しつつ、探査機の開発や打上などの今後の進め方について検討を深めるべきである。」という、打ち上げ延期をも視野に入れたかのような微妙な表現をしている。

 実のところ、打ち上げ延期は「はやぶさ2」というミッションの死にもつながる。今や、この問題の本質は「日本は成功した者を罰する国になるのか」という所にある。成功した者の足を引っ張り、罰を与える国は次世代の希望を失わせる。次世代に、日本は希望を持って生きるに足る国であると知らせるために、「はやぶさ2」計画は2014年の打ち上げに向けて進める必要がある。

 「はやぶさ2」生き残りの可能性は、国民の声の大きさと、新たな政権が国民の声をどう考えるかにかかっている。現在、内閣府は12月25日締め切りで宇宙基本計画へのパブリックコメントを募集している。この場を使って、「はやぶさ2」に始まる日本の太陽系探査の重要性を訴える意見がどれくらい集まるかが、まずは課題となるだろう。次に、12月16日の衆議院議員選挙の結果として誕生する自民党を中心とした新政権が、このような国民の意見をどの程度汲み上げて政治的な決断をするかであろう。

継母にいじめられる昔話のお姫様のごとくに

 まず、「はやぶさ2」について簡単にまとめておこう。構想の検討は2006年初頭、つまり初代「はやぶさ」が通信途絶に陥っている間に始まった。当初は「はやぶさ」が帰還不能になった時に備えて同型機を可能な限り早く製造して打ち上げるというもので、2010年の打ち上げを目指していた。しかし、はやぶさの復活と長引いた帰還のために、計画は二転三転し、遅延した。打ち上げ時期は2012年に、そして2014年にずれ込み、機体は「はやぶさ」の完全な同型機から、一部改良を加えたものへと変化した。

 現状の「はやぶさ2」は、小惑星1999JU3を探査目標として2014年ないし15年の打ち上げ、2020年の地球帰還を目指して実機の製造を行っている。「はやぶさ」は岩石主体のS型小惑星のイトカワを探査した。一方、1999JU3は炭素を含むC型小惑星だ。種類の異なる小惑星からのサンプルを持ち帰り、太陽系の起源をより深く、総合的に探っていこうという探査戦略である。初代「はやぶさ」の設計と比較すると、1)小さな人工クレーターを作るインパクター(衝突体)という装置を搭載し、宇宙放射線による風化を受けていない星内部のサンプル採取を目指す、2)大量の情報を送信できるKaバンドの通信装置を搭載、2)日本の超小型探査車に加えてドイツの小型探査車を搭載――などが変化しており、この他にも信頼性向上のための様々な設計変更を受けている。

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「崖っぷちの「はやぶさ2」、一体どこへ向かうのか?」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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