• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

科学界の悲願「113番元素」の合成に成功!(続報)

その快挙に学ぶ科学とモノづくりの「日本力」

2013年3月6日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2013年2月14日、東京・ホテルオークラの「平安の間」で「理化学研究所と産業界の交流会」が開催された。理化学研究所(理研)が用意した講演は3本。その1つが「113番新元素の探索」だった。

 演者は、昨年の10月23日に当コラムで報告をした森田浩介さん(仁科加速器研究センター、森田超重元素研究室、准主任研究員)だ。森田さんの講演を通じて、産業界の人々は「日本力」への大いなる自信や誇りを抱いたに違いない。その森田さんを理化学研究所(埼玉県和光市)に再訪した。

 新元素を創り出したことは科学分野での「日本力」を物語るが、一般には難解な世界だ。そこで理研・広報室は、お堅い基礎研究所とは思えない、専門外の人でも理解できる大胆な企画を立てた。森田さんの「生い立ちから発見に至るまでの道のりを紹介する」マンガ『113 新元素発見に至る20年の戦い』の公開だ(ストーリーは「113番目の元素」合成の最後の「決め手」を手にする前の段階までだが)。

 このマンガには、森田さんの美栄子夫人との出会いのラブラブ物語もしっかりと描かれていてほほ笑ましい。森田さんは、「2004年当時の武田健二理事の発案だったので……」と、恥ずかしそうな顔をしたが、科学者の努力や発見がいかにもたらされるのか、家族の支えがどれほど大事かを伝えているすばらしい作品で、若い科学者たちにとっても励みになるに違いない。

 もっとも公開日が東日本大震災直後の2011年3月25日であったため、メディアで伝えられることはほとんどなかったのは残念だった。

森田浩介さんの「113元素」の合成を描く理化学研究所が企画したマンガ。携帯のほかiPhoneやiPadの無償アプリでも読むことができる

 それにしても「新しい元素」を創り出すとはどういう仕事なのか。森田さんにあらためて聞いた。

 「113番目の元素を手にする確率は宝くじに当選するより小さいんですよ」

 「113番元素」の原子核は、「30番元素・亜鉛」の原子核を「83番元素・ビスマス」に衝突させて合体して作る(核融合)。亜鉛の原子核は線形加速器(RILAC)で光の速度の10%に加速しビスマスに衝突させるのだが、どっこい、簡単には融合してくれないのである。

理研内の仁科加速器研究センターのロビーに展示してある元素とその同位体を立体表現した「核図表」。森田さんが指さすのが「113番元素」の位置(写真・山根一眞)

コメント3

「山根一眞のポスト3・11 日本の力」のバックナンバー

一覧

「科学界の悲願「113番元素」の合成に成功!(続報)」の著者

山根 一眞

山根 一眞(やまね・かずま)

ノンフィクション作家

ノンフィクション作家として先端科学技術分野の熱い人間像を描き続ける一方、3.11被災地支援活動も人生の大きな柱です。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員