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いよいよ水月湖を掘削へ、研究者たちの貧しく暑い夏

「年縞」を読み解いた在英日本人研究者(その3)

2013年9月12日(木)

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 世界の歴史の「ものさし」の標準とする決定が下された、水月湖の「年縞」に世界の熱い目がそそがれている。

失敗できない2回目の掘削

 2006年(平成18年)6月30日の朝、水月湖畔に荷物を満載した大型のトラックや25トン吊りのクレーン車が到着した。ボディには佐世保通運の文字。水月湖の「年縞」の湖底掘削のために必要な資材が、はるばる長崎県から運ばれてきたのである。

2006年6月30日、水月湖の「年縞」ボーリング作業の資材、機材が水月湖畔に到着。作業のための準備が開始した。(写真提供:中川毅・Suigetsu Varves 2006 project)

 水月湖の「年縞」の掘削は、1991年(平成3年)に始まっている。安田喜憲さん(現・国際日本文化研究センター名誉教授)がこの年に試掘を行い、1993年(平成5年)に本格的な掘削を行ったが、これまでの掘削では完全な「年縞」は得られていなかった。1993年の掘削に京都大学の学生として参加した中川毅さん(現・英国ニューカッスル大学教授)は、じつに13年目のリベンジとして、第2次調査のプロジェクトのリーダーとして「年縞」の掘削に挑むのである。

 水月湖は水面から湖底までは34メートル。その湖底の下には堆積した73メートルの泥の堆積層がある。このうち、上部45メートルに7万年分の「年縞」があることがわかっている(下部の28メートルは「年縞」がない15万年分の泥だ)。

 この約7万年かけて積もった45メートルの堆積泥が1センチの欠けもなく連続して得られれば、世界初の7万年分の歴史のモノサシになる。予算が乏しいなか、やっとこぎつけた第2回の掘削だったため、これは何としても成功させねばならなかった。

コメント5件コメント/レビュー

読後感は「ドキドキ、ワクワク」で、とても面白い小説のようでした。でもこれはノンフィクションなのですね。こんなに困難なサンプル採取に挑んだ西部試錐工業の「勇気」に感激です。(2013/09/12)

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「いよいよ水月湖を掘削へ、研究者たちの貧しく暑い夏」の著者

山根 一眞

山根 一眞(やまね・かずま)

ノンフィクション作家

ノンフィクション作家として先端科学技術分野の熱い人間像を描き続ける一方、3.11被災地支援活動も人生の大きな柱です。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

読後感は「ドキドキ、ワクワク」で、とても面白い小説のようでした。でもこれはノンフィクションなのですね。こんなに困難なサンプル採取に挑んだ西部試錐工業の「勇気」に感激です。(2013/09/12)

西部試錐工業のHPの実績紹介のページで水月湖の学術掘削がNHKのサイエンスZEROで紹介と掲載されていたが世界の歴史書の記述を変えていくかもしれない事業に携わった会社としては控えめな内容(2013/09/12)

水月湖の年縞の事はNHKの番組、サイエンスZEROで知りましたが、見ていていくつか疑問がありました。何故日本でなく外国の大学で日本人の研究者に依るものなのか?とこの記事を読み、謎が解けました。貴重な研究にはもっと我が国も積極的にサポートして行く様にならないといつまでも海外で評価されないと、日本では評価されないという体質は改まってゆかいと痛感しました。(2013/09/12)

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三品 和広 神戸大学教授