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秘密保護法成立で、より秘匿される偵察衛星の取得画像(その1)

IGSと広域災害監視衛星ネットワーク――機能がだぶる2つの衛星計画

2013年12月16日(月)

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 この年末、内閣官房・衛星情報センターが運用する偵察衛星「情報収集衛星(IGS)」を巡って、3つの動きがあった。最大のものは、安倍政権が特定秘密保護法を成立させたことだ。安倍晋三首相は12月9日の記者会見で、「特定秘密」に指定する政府情報42万件のうち9割が衛星画像に関する情報だと発言した。この9割の大部分が、IGSが取得した地球観測画像であることは間違いない。

 これに先立つ11月13日~12月2日にかけて、内閣官房は台風30号により大きな被害を受けたフィリピン各地域の被害状況地図を次々と公開(関連情報)した。IGSが撮影した画像を解析した結果を地図上にまとめたものだ。内閣官房が、IGSで取得したデータを解析した結果をまとめて公開するのはこれが初めてである。

内閣官房が公開したIGS画像解析結果の一例。フィリピン・タクロバン周辺(内閣官房・発表資料(pdfファイル)より)

 一方、内閣府・宇宙戦略室が来年度からの開発を目指している広域災害監視衛星ネットワークで使用するレーダー衛星2機の開発予算要求(初年度80億円)が、11月15日の行政事業レビューでほぼ最低の評価を受けた。評価者コメント(pdfファイル)には「目的自体がぶれている」「不要である。絶対にはじめてはならない」「本事業を予算化するべきではない」などと厳しい文言がならんだ。

 これら3つの動きは、すべて連動している。というのもIGSは1998年に予算が付いて計画が始まった時、用途に「防災目的」が入っていたからだ。今回、フィリピンにおける台風被害の解析結果が公表されたことで、IGSが防災目的にも使えることがはっきりした。防災をキーワードにすると、IGSと広域災害監視衛星ネットワークを有機的に連動させることで重複を排除し、宇宙開発予算をより効率的に執行することが可能になる。ところが特定秘密保護法の成立により、IGSが取得するデータは事実上、公開が不可能になりそうな状況である。

コメント1件コメント/レビュー

軍事機密が関わる施設を民政向けと共用しないのは常識と思われます。無理に強要すれば、秘匿保護の必要な場合と、防災で必要な場合が競合した時に、軍事上の機密が晒されるのを承知で運用するか、機密を優先して運用できないか、どっちにしても悩ましい選択になります。  現在、あるいは近い将来に偵察衛星を上手く運営できていないからといって、止めてしまえば、永遠に0のままです。軍事上の技術はどこも教えてくれません。 あきらめる事無く継続して行く、お金もかけて行くのが唯一の道です。(2013/12/16)

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「秘密保護法成立で、より秘匿される偵察衛星の取得画像(その1)」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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軍事機密が関わる施設を民政向けと共用しないのは常識と思われます。無理に強要すれば、秘匿保護の必要な場合と、防災で必要な場合が競合した時に、軍事上の機密が晒されるのを承知で運用するか、機密を優先して運用できないか、どっちにしても悩ましい選択になります。  現在、あるいは近い将来に偵察衛星を上手く運営できていないからといって、止めてしまえば、永遠に0のままです。軍事上の技術はどこも教えてくれません。 あきらめる事無く継続して行く、お金もかけて行くのが唯一の道です。(2013/12/16)

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三品 和広 神戸大学教授