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ロケットがまっすぐ降りてくる!? スペースXの実験成功

ファルコン9、第1段着水試験にみる“したたかさ”

2014年4月24日(木)

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 米宇宙ベンチャーのスペースX社は4月18日、国際宇宙ステーション(ISS)に向けて、無人の物資補給船「ドラゴン」を、「ファルコン9」ロケットで打ち上げた。打ち上げは成功し、ドラゴンは20日にISSへドッキングした。

今回打ち上げられたファルコン9v1.1ロケット。ロケット基部に三角錐の張り出しが4つ附属しているが、これが折り畳まれた状態の着陸脚(Photo SpaceX)

 この打ち上げで、同社は史上初の試みを成功させた。ファルコン9第1段には着陸脚が装備されており、将来の第1段再利用に向けた降下・着水実験が行われたのだ。分離後、第1段は姿勢を制御し、エンジンを再着火して噴射で速度を落としつつ、着陸脚を展開。垂直の姿勢で海面への着水を試みた。【編注:同社の垂直離着陸実験の動画は次ページに掲載】

 第1段着水実験の詳細を同社は正式には公表していない。しかし、同社のイーロン・マスクCEOは、Twitterに「実験は成功、着水時に機体は垂直で、着水後8秒まで搭載コンピューターはデータを送ってきた」と書き込んだ。

 この打ち上げは、スペースX社と米航空宇宙局(NASA)との契約で実施された商業打ち上げだ。通常、商業打ち上げでは、今回のような技術開発実験を実施することはない。打ち上げ成功確率が下がる可能性があると、顧客が実験を忌避するからだ。

 が、スペースXは、ファルコン9(現在運用されているのは、2世代目のファルコン9バージョン1.1である)に、ひそかに打ち上げ能力の余裕を持たせることで、顧客の資金で打ち上げる商業打ち上げで、自社向け技術試験を実施できる体制を作り上げた。

 顧客のリスク分担で製品完成度を上げるのは、製品を出してからバグ修整版をリリースするソフトウエア業界では当たり前の手法だ。スペースX社は宇宙分野、それも大型のロケット開発において、さしたる抵抗もなくこの大胆な手法を顧客に受け入れさせることに成功した。

打ち上げ能力に仕込んだ“隠し球”

 物資補給船ドラゴンの打ち上げは今回が5回目。最初の2回は試験運用で、スペースXとNASAとの契約による商業打ち上げとしては3回目となる。ドラゴンを宇宙へ運ぶファルコン9は、ほぼ日本のH-IIAロケットと同等の能力を持つ2段式の大型ロケット。2010 年6月の初号機打ち上げ以来、今回が9機目。うち5機が先代のヴァージョン1.0(v1.0)で、打ち上げ能力を向上したv1.1としては今回が4機目となる。

 同社は2011年9月に、ファルコン9の第1段、第2段を共に回収して再利用する構想を公表した。第1段は、射点近くに戻してロケットエンジンの噴射で着陸。第2段は地球を回ってから大気圏に再突入し、やはりロケット噴射で着陸するというものだ。2012年からは、試験機「グラスホッパー」で、ロケット噴射による垂直着陸の試験を実施していた。

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「ロケットがまっすぐ降りてくる!? スペースXの実験成功」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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