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米スペースX、日本の“4倍速”で有人飛行へ

有人宇宙船の価格破壊者、「ドラゴンV2」公開

2014年6月3日(火)

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 特設の舞台で、カウントダウンと共に白いヴェールが落ちる。それは新車の発表会のように派手だった。

 5月29日、米スペースX社は、カリフォルニア州ホーソンの本社で、新型有人宇宙船「ドラゴン・バージョン2(V2)」を公開した。同社は現在、米航空宇宙局(NASA)との契約で、国際宇宙ステーション(ISS)へドラゴン無人貨物輸送船を打ち上げている。ドラゴンV2は、ドラゴンを有人型に発展させたもので、7人の宇宙飛行士を乗せてISSと往復する能力を持つ。NASAの有人宇宙船開発補助金プログラム「C3PO」の資金を使い、米シエラネバダ・コーポレーション(SNC)の「ドリームチェイサー」(民間有人宇宙船、ドリームチェイサーが一番乗りか参照)、米ボーイング社の「CST-100」と共に開発中の有人宇宙船である。

公開されたドラゴンV2有人宇宙船(SpaceX)

 同社のイーロン・マスクCEOは、ドラゴンV2の技術的概要を説明した上で、「ドラゴンV2は、宇宙へのアクセスのコストを劇的に下げる可能性を持っている」と語り、「2015年に無人打ち上げを実施し、2016年には最初の有人打ち上げを開始。2017年以降ISSへの有人輸送をロシアが独占している状態を打破したい」「現在NASAは、ISSへの人員輸送でロシアに1人当たり7000万ドル以上払っているが、ドラゴンV2では2000万ドル以下を提示したい」と語った。

 ウクライナ情勢を巡り、現在米ロの宇宙協力は微妙な状況にある(ウクライナで“困った”。米ロの宇宙での共依存参照)。このタイミングでのドラゴンV2お披露目は機を見るに敏な同社が、まず第一に米政府へ及び世界の潜在的カスタマーへの売り込みを狙ったパフォーマンスと考えるべきだろう。

 しかし同社は決して見込みのない“ベイパーウエア”を公開しているわけではない。ドラゴンV2の中核技術のひとつである「スーパードラコ」エンジンはすでに認定試験をパスしている。これまでの同社の実績を見るに、ドラゴンV2はどんなに遅くとも2017年には有人打ち上げを実施すると考えておくべきだろう。

ロケット噴射で垂直着陸、再利用を可能に

 ドラゴンV2は直径4.6m、7人乗りのカプセル型有人宇宙船だ。発表では、マスクCEO自らドラゴンV2に乗り込み、操縦系統を説明した。横一列に並んだ4枚の液晶パネルに情報を表示する完全なグラスコクピットで、操作系は中央に集中している。

ドラゴンV2の船内。操縦系は4枚1連なりの液晶パネルと一体化されている(SpaceX)

 ドラゴンV2が従来のカプセル型有人宇宙船と大きく異なるのは、大推力の液体ロケットエンジン「スーパードラコ」8基を装備しており、打ち上げ時の緊急脱出、再突入時の軌道変更、さらに地上への軟着陸に使用することだ。従来のカプセル型有人宇宙船は、打ち上げ時の緊急脱出には専用の固体ロケットモーターを使用、軌道変更には専用のエンジンを搭載し、帰還時はパラシュートを開いて降りてきていた。ドラゴンV2は、これらの役割をすべてスーパードラコに任せ、着陸脚を展開して「ヘリコプター程度の精度」(マスクCEO)で地上の狙った地点にピンポイントで着地する(次ページにドラゴンV2の飛行と着陸のCG映像を掲載)。

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「米スペースX、日本の“4倍速”で有人飛行へ」の著者

松浦 晋也

松浦 晋也(まつうら・しんや)

ノンフィクション作家

科学技術ジャーナリスト。宇宙開発、コンピューター・通信、交通論などの分野で取材・執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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