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16年間、ロボット掃除機を作り続けたダイソン社員

2014年10月1日(水)

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 「私たちは『ダイソン360 Eye ロボット掃除機』を16年かけて作りました。16年間ずっとプロジェクトリーダーをしてきたマイクがここに来ています。デモンストレーションはマイクに手伝ってもらいましょう」

 デモは360 Eyeと競合他社のロボット掃除機を並べ、同時に掃除をさせて吸引力の差を比べるものであった。だが筆者は「16年間プロジェクトリーダーを続ける」という点が気になってしまい、デモを真剣に見られなかった。

 社会人になって30年近く経つが16年間も何かを開発し続けたことはない。雑誌やWebサイトを作るプロジェクトの経験はあるものの期間は長くて2年程度であった。新しい何かを生み出す活動は当初こそ楽しいものの途中から堂々巡りになりがちで出口がなかなか見えなくなると相当に辛い。日々取材して記事を書く普段の仕事のほうがはるかに楽だと思えてくる。

 なかなか達成できない目的を与えられ、16年間それに取り組んだ経験を読者の皆様はお持ちだろうか。製造業の研究所であれば「この技術を研究して16年」という研究者がいるかもしれない。ただしそれは製品を作る前の基礎研究であることが多い。

 「ロボット掃除機を作る」といった明確な目的を示され、それに向かって16年も取り組むというのは筆者の想像を超える。

 冒頭の発言は英ダイソンの創業者、ジェームズ・ダイソン氏によるものだ。9月4日、ダイソンは360 Eye ロボット掃除機を日本で2015年春から売り出すと発表、その発表会の場でダイソン氏が16年間プロジェクトリーダーを続けたマイク・アルドレッド氏を紹介した。ダイソン氏が考案したサイクロン式掃除機が初めて製品として出たのは日本市場においてであり、360 Eye ロボット掃除機も日本で最初に売り出すという。

 発表会場で配られた資料によるとダイソン360 Eye ロボット掃除機の開発期間は16年、開発に関わったエンジニアは200人以上、開発費は2800万ポンド(約49億円)。搭載されているモーターに別途1億5000万ポンド(約263億円)を投じた。

 製品名に冠された「360 Eye」はロボット掃除機に搭載した全方位パノラマカメラを指す。動きながら周囲を撮影し続け、室内における自分の位置と掃除をした経路を把握し、無駄なく漏れなく掃除をするという。このナビゲーションシステムはコンピューターソフトウエアで実装されており「31人のロボットソフトウエア専門のエンジニアが11年以上かけて開発」したと資料に書かれている。

 16年間プロジェクトリーダーを務めたアルドレッド氏はロボットを作るハードウエアのエンジニアとコンピューターソフトウエアのエンジニアが混在したチームを率いたことになる。両方のエンジニアの志気をどう維持したのかと考えているうちにダイソン氏とアルドレッド氏によるデモは終わり、別会場で個別説明があると告げられた。

 発表会場に集まった人々は二つに分けられ、筆者を含む半数がまず別会場に案内された。そこには家庭や事務所を模した三つの場所が用意されており、ダイソンのエンジニア3人がそれぞれの場所で説明するという。迷わずアルドレッド氏が説明する場所に行った。ロボット掃除機のデモが始まる。周囲の様子を確認してから順次掃除をしていくロボットを眺め、説明を聞いたが筆者の関心は依然として「16年」にあった。

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「16年間、ロボット掃除機を作り続けたダイソン社員」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BPビジョナリー経営研究所

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者、2009年1月から編集長。2013年から現職。プロジェクトマネジメント学会員、ドラッカー学会員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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