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1つの仕事で3日間に100本のメールを書きながら心の平衡を保つ方法

2015年2月10日(火)

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 相当な量だと自分で思った。1月28日から30日にかけて送受信した電子メールの件数である。2014年から請け負っていた、ある仕事が大詰めを迎え、50社を超える企業と連絡を取り合った。その仕事に関連して送受信したメールの件数をざっと数えてみると、受信が28日に49件、29日に43件、30日に70件、合計162件。発信が28日に37件、29日に20件、30日に40件、合計97件。この原稿を書いている1月31日に、メール用ソフトウエアの画面に表示された件名を数えただけなので、実際に読んだり書いたりした件数はもっと多い。1件について数回やり取りしている場合があるからだ。しかも、これら以外に様々な仕事に関係する連絡、企業のニュースリリースなどが送られてくる。

 普段からかなりの件数のメールを読み、返事を書いているが、1月末の3日間は滅多にない体験だった。文字通り朝から晩までメールを読み、返事を考え、書き、送信していた。パソコンの前に座りっぱなしだから、首や肩、腰が痛んでくる。目もかすむ。こうなるとメールの文章を間違い始める。送信ボタンを押した瞬間、事前に読み直しても見つけられなかった誤字や脱字に気付く。直ちに訂正文を書いて送るが慌てているせいか別の誤りを書いてしまう。

 とうとう3日目の1月30日には誤字脱字どころではない失態を数度演じてしまった。すでにやり取りを終え「後はお任せ下さい」と連絡していた相手に「締め切りを過ぎていますがどうでしょう」と催促の連絡をしたり、ある相手に送るべき文面を別の相手に送信したりした。後者について言い訳をする。名字が漢字二文字で一文字目が同じ、操作画面に表示される英文字表記の名前もそっくりというお二人から前後してメールが届いた。ある企業の相手が書いてきた「何行目の何をこう修正して下さい」という依頼を別の企業の相手から来たものと思い込み、校正紙をめくると「何行目に何」が書かれてあったから、それを直してしまった。偶然にも2本の異なる原稿の同じ行に同一の記述があったのである。

仕事が忙しくなると、ある衝動に駆られる

 唸りながらメールの送受信を続けてきたが、3日目に入ると、どうしてもある事をしたくなった。本題に関係があっても無くてもメールの返信に何か気の利いた一言を書きたい。場違いな冗談を送信したい。前者は許容されるが後者はまずい。実は今回の件に限らず、社会人になった当初から仕事が忙しくなると、こうした衝動に駆られた。例えばある仕事を請け負っていて、依頼主から締め切りぎりぎりの時期に厳しい要求を出されたとする。どう考えてもできないなら『無理だ!決定版』、力関係で先方が強い場合には『イジメ、ダメ、ゼッタイ』、本当に腹が立ったなら『ふざけるんじゃねえよ』、要求通りにするがそれはこの私が決めたことでお前に従ったわけではないと言いたい時には『虎視眈々と淡々と』、といった具合に一言だけ書いたメールを送りつけたらどうかと思ったりする。

 偉い人、揉め事をこちらが起こし謝っている相手、目上の人になると、ますます何かをしたくなる。社会人として自制するから前述の案は実行したことがないが、我慢は心身に良くないので別な手を考える。例えば、ある仕事で問題が起き、先方から対策を求められたとする。「これしか思いつきません」とは言えない。相手はすぐ納得するがこちらとしては相当な持ち出しになる対策、相手もこちらも一応合意できる対策、こちらは楽だが相手はおそらく納得しない対策、を考えてみるが、真面目な案を列挙するだけでは面白くない。そこで相手の想像をはるかに超える、突拍子もない対策を捻り出し、それを筆頭にして対策案を複数並べ、メールで送りつける。

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「1つの仕事で3日間に100本のメールを書きながら心の平衡を保つ方法」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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