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ハードディスクが消える日

フラッシュメモリー採用「iPodナノ」の衝撃

  • 瀧本 大輔,大竹 剛

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2005年9月19日(月)

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 9月8日、午前11時から新型ウォークマンを発表したソニー。デジタル音楽プレーヤーの開発を担当するコネクトカンパニーの辻野晃一郎コ・プレジデント(共同プレジデント)は、発表に臨むほんの少し前に、この日、米アップルコンピュータが発売したばかりのデジタル音楽プレーヤー「iPod nano(ナノ)」を手にした。

 厚さ6.9mmと薄く、手のひらに収まる大きさ。記憶媒体としてNAND型フラッシュメモリー(電気的に一括消去再書き込み可能な半導体メモリー)を採用したことで小型化、重さは42gしかない。一方、新型ウォークマンの主力は、大容量HDD(ハードディスク駆動装置)を搭載している。

 「商品をゼロから見直し、こだわった自信作」と辻野氏が意気込むように、従来製品と比べて使い勝手を大幅に改善し、デザインも一新した。容量こそ大きく異なるものの、サイズだけを比べると、明らかにアップルに分がある。辻野氏はこう考えていた。「薄くて軽い製品は、本当はソニーのお家芸だったはず」——。

フラッシュ採用で驚きの薄さ

 アップルが“衝撃の薄さ”を実現できたのは、フラッシュメモリーの採用によるところが大きい。

 フラッシュメモリーは指先に載るほどの大きさで、厚さは1mm程度。金属製のディスクを高速回転させるHDDより小さくて薄く耐衝撃性に優れている。外部からの衝撃を和らげるための部品も減らせる。消費電力が少ないので、バッテリーも小型化できるといった利点がある。

 このiPodナノが登場したことにより、電機業界には別の意味での驚きが広がっていた。

 フラッシュメモリーの価格は現状、HDDの数倍する。2ギガバイト(ギガは10億)を超える容量ではHDDを使うのが一般的だった。それをアップルが、HDDを採用していた「iPod mini(ミニ)」の生産を終了してまで、高価な4ギガバイトのフラッシュメモリーを採用したからだ。

 調査会社のアイサプライによると、フラッシュメモリーの大口卸売価格は、2004年8月に容量2ギガビット相当で、21ドル(約2300円)だった。今年6月にはそれが12ドル(約1300円)まで下落したとはいえ、HDDと比べるとなお高い水準にある。

サムスンが仕掛けた安値攻勢

フラッシュメモリーを採用して小型化した米アップルの「iPodナノ」 単価は1年で半額近くに NAND型フラッシュメモリー(2ギガビット)の価格の推移

 さらに、2006年の第2四半期には、約7ドル(約750円)にまで下がる見通しだが、最新の相場を基準として単純計算すると、日本での価格が2万7800円する容量4ギガバイトのiPodナノには、約200ドル(約2万2000円)相当のフラッシュメモリーが積んであることになる。常識で考えれば、利益が出ない計算だ。

 裏返せば、アップルが、iPodナノに4ギガバイトのフラッシュメモリーを採用したのは、相場よりも安い価格でそれを仕入れることができたからだった。

 アップルがフラッシュメモリーを仕入れているのは、市場シェアの約6割を占める韓国のサムスン電子である。

 関係者によると、サムスンがアップルに「HDDに対して競争力がある価格でフラッシュメモリーを供給した」という。

 実際に、フラッシュメモリーを採用した他社製品と比較しても、iPodナノの価格の安さは際だっている。

 例えば、2ギガバイトのフラッシュメモリーを採用したウォークマンの新製品は、想定販売価格が3万円を超える。これに対して、同じ容量のiPodナノは、2万1800円である。表示装置の方式が異なることなどから正確な比較は難しいが、単純に比べるとアップル製品の方が約30%安い。

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