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再び、革新の炎と興奮を

ソニー新CEO、ハワード・ストリンガー氏が激白

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2005年3月21日(月)

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「スパイダーマン」など映画でヒット作を生んだことも、トップへの道につながった

 問 ソニーの新会長兼グループCEO(最高経営責任者)に選ばれたのはなぜだと考えるか。

 答 米国では、リストラ効果により映画、音楽、エレクトロニクスの3事業が黒字で、ソニー全体の利益の大半を稼ぎ出したが、これは従来考えられなかったこと。出井伸之会長兼CEOは、「米国にソニーのイメージと価値を変革するうえでの1つの青写真がある」と信じたのではないか。 

 最大の懸案だったエレクトロニクス事業でリストラを断行。その結果、モラール(士気)も効率も高まり、部門の間の壁も崩れ落ちた。

 ソニースピリット(精神)はかつては日本だけのものだったが、今では日米両方の精神になった。この点にも出井氏は共鳴するところがあったようだ。彼は「(米国を見れば)私たちは落胆することはない。チャンスはある」と思ったのではないか。私たちは鏡を神経質に覗き込んで、何が間違っていたのか考え込んだりはしない。

ゴーン氏とは「状況」が違う

 問 CEOを引き受けてほしいと言われた時は、どう感じたのか。

 答 光栄だと思うのと同時にショックでもあった。「私は本当にソニーのCEOになる準備はできているのか」「本当にソニーのハンドルを握れるのか」と悩んだ。

 問 昨年12月の取材では、久多良木健副社長がソニーの次期CEOになると考えているような印象を受けた。

 答 それは私が久多良木氏を非常に高く買っていたからだ。私は彼と非常に長い時間を過ごしたし、一緒に食事をするのも好きだ。久多良木氏はとびきり素晴らしいアイデアを持つダイナミックなエンジニアだ。彼は彼自身の「プレイステーションワールド」を持っており、そこでは彼は卓越している。私はいつも久多良木氏との関係をエンジョイしてきた。だから、その時はそう答えたのだろう。

 問 引き受けた決め手は何か。

 答 まず妻が賛成したからだ。またソニーには天才と言ってもいい才能あるエンジニアがたくさんいる。この1~2年でソニーのイメージは幾分傷ついたが、多くの若者は今でも最も偉大な日本企業だと思っている。

 もし私が刺激を与えられるとしたら何ができるのか。私ができるベストのことは何か。私はどんな言語であろうとも、人を勇気づけコミュニケーションし、やる気にさせることができる。

 ソニーには製品もブランドも名声もある。消費者と特別な関係も持っている。“ソニー”という言葉は、グローバルに何かを意味する。それは無視できないくらい重要なことだ。

 問 昨年12月に、あなたはソニーには日産自動車のカルロス・ゴーン社長のようなリストラが必要だと私に語った。今も同じ考えなのか。

 答 いい記憶力だが、自分自身をゴーン氏とは比較できない。日産は本当の危機に直面していた。そしてゴーン氏は非常に速く動いた。だが、ソニーは破産寸前ではない。黒字であり、今もいい製品を作っている。

 私たちは正しい(事業の)集中と、製品の品揃えのバランスを見つけ出すことができる。そして、株主にとっての企業価値を高めることができる。

 ゴーン氏と私が比較されるべきポイントは1つしかない。彼は外国人であり、私もそうであることだ。しかし、置かれている状況はそれぞれ違う。私は、今も強い自信と技術力を持っている会社に足を踏み入れようとしている。スター技術者たちが再びキラキラと輝けるようにしなければならない。

 私はみんなにあれをしろ、これをしろと事細かに言うタイプではない。私がしなければならないのは、周りにいる人の能力やエネルギーを束ね、ソニーのイノベーション(革新)の炎と興奮を復活させることだ。これは(日産と)非常に異なる経験だろう。ソニーの最高の精鋭と「ソニースピリット」復活のために力を合わせる。

 問 ゴーン氏との立場の違いは理解できるが、投資家がまずソニー経営陣に求めるのは大胆なリストラだろう。

 答 確かにソニーはもっと収益性を高めなければならない。売上高営業利益率は映画が8%、音楽は10%に近づこうとしている。(米国の)エレクトロニクス事業は4~5%だろう。価格競争が激しいエレクトロニクスの利益率を高めるのは簡単ではない。

 全社で営業利益率10%の目標は、一夜にして達成できるものではない。しかし私は株主価値を改善することに対して、責任を持っている。利益という目標はシンボリック(象徴的)なものとして重要だ。あるべき利益率を達成していないのは、恥ずかしいことだ。 

 問 エレクトロニクスとコンテンツを、今後は世界規模で統合しなければならないわけだが、米アップルコンピュータの携帯音楽プレーヤー「アイポッド」の成功と、ソニーの失敗は何を物語る?

 答 ソニーの「コネクト(アップルのアイチューンズに似た、音楽のダウンロードと、パソコンにインストールする再生用ソフトのサービス)」は変化する「デジタルのソニー」のメタファー(隠喩)かもしれない。

 まだコネクトは成功していない。なぜならば最も重要なソフトに問題があり、(アイポッドのようなハードディスク搭載の)携帯型プレーヤーとの相互接続性も開発途上だからだ。私たちは、今も別のDRM(デジタル著作権管理)技術の採用を検討している。

 コネクトでは、偉大なハードと良質のコンテンツを持つ会社として、ソニーの両方のチームが協力しなければならない。ソフトを改善しなければならないし、ネットワーク化される世界で戦うには、サービスと端末の親和性も高めなければならない。

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