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出井退場

ソニーはどこへ行くか

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2005年3月14日(月)

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新たな経営体制を発表する出井伸之ソニー会長。退場に当たって自らの経営責任を総括することはなかった

10年の長きにわたったソニー出井体制が終わりを告げる。2006年度に10%の営業利益率を達成し、花道を飾るシナリオはついに幻となった。映画事業を立て直し、日本企業の統治機能を一新した功績の裏側で、エレクトロニクス事業を低迷に追い込んだ責任は重い。その後のソニーはどこに行くのか。新経営陣は逆風下での船出を強いられる。(ソニー取材班)

 言葉による説明は必ずしも実態を映さない---。

 3月7日、ソニーが開いた経営体制変更の記者会見を総括すればこうなる。

 1995年の社長就任から会長兼グループCEO(最高経営責任者)となり、合計10年にわたった出井伸之の時代が終わる。その会見で出井は「去るのはちょっぴり寂しいが、次の時代のページを繰ったさわやかさの方が大きい」と新体制を自分の手で作ったと説明した。

 そして、自らの説明をこう締めくくった。

 「くれぐれもお間違いなきようお願いしたい。確かに、ソニーは委員会等設置会社です。しかし、会社というのはOBや委員会が経営するものではない。私と(社長の)安藤(国威)さんで考えて、皆でディスカッションしたうえで決めた陣営だ」

2月初め、社外取締役に打診

 しかし、新経営陣選びの実際は出井の説明と微妙にずれている。たしかに決断したのは、出井と安藤だった。しかし、その経過では社外の力も大きく作用したからだ。

 会見から1カ月余り前の2月初旬のことだった。出井はある社外取締役にこんな相談をもちかけた。

 「経営陣の交替を考えている」

 その日から、新しい役員を選ぶ「指名委員会」を中心とする社外取締役と出井、安藤らによる水面下の協議が始まった。同委員会は、2003年に出井が新設した組織だ。

 議論に深く関わった社外取締役は、UFJ総合研究所理事長の中谷巌、富士ゼロックス会長の小林陽太郎、オリックス会長の宮内義彦、日産自動車社長のカルロス・ゴーンらそうそうたる顔ぶれだった。

 社外取締役は、ソニー社内をできるだけ避けて、ホテルや社外役員の所属する会社の建物で連日のように会合を重ねた。

 彼らは、ソニーの役員ほぼ全員に接触し、1人ずつ意見を聞いた。「出井さんには伝えないから率直な意見を言ってほしい」と前置きし、現状把握に努めた。今のソニーの問題は何か、CEOは誰がふさわしいか、今ソニーに必要なことは何か、具体的な人物の評価はどうか、など様々なことをヒアリングした。

 そこでは副社長の井原勝美、久多良木健など7~8人がトップ候補として議論された。「実力はある。しかし、全社をうまくマネジメントできるだろうか。非常に危なっかしい」「では、彼だったらどうだろうか」。

 当初は、出井の位置づけはそのままにして、社長だけを交代させる案もあった。議論が進む中で、「会長兼グループCEOにハワード・ストリンガー、社長に中鉢良治」といった空気が醸成されたようだ。

 社外取締役が、選定作業に深く関与した面は否めない。ただ、社外取締役が驚いたのは、出井らが、最終的に8人の社内役員のうちストリンガーを除く7人を一斉に退任させる決断を下したことだった。

 果たして、出井はなぜ自ら辞する決意を固めたのか---。

 出井は、2006年度を最終年度とする構造改革を進めている最中だ。この年は、ソニー創業60周年の節目と重なる。そのため、社内外からは少なくとも、2006年度までは、会長続投と見られてきた。

 周囲のそうした見方を覆し退場を決意したことは、昨年の年末商戦の失敗が、ソニー全社に大きな影を落としたことと無関係ではない。

 今年1月20日。ソニーは、今年3月期の業績見通しの下方修正を発表した。本業のもうけを示す営業利益が、わずか3カ月前の予想から3分の2に減った。主力であるエレクトロニクスの不振が原因だった。

 この決算を機に、「社内外でも経営陣の責任を明確にして交替を求める声がいっそう高まった」(社外取締役)という。

 業績の好転を賭けた昨年の年末商戦は、シェアを取るための安売りに流れ、期待は裏切られた。矢折れ刀尽き、出井体制の下でエレクトロニクスの不振に即効性のある打開策は見当たらなかった。

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