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「天然ガスよ、お前もか」

原油高に隠れた“2010年LNG問題”

  • 星 良孝

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2006年4月26日(水)

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 「オーストラリアの北西大陸棚(NWS)のガス田の一部で、LNG(液化天然ガス)価格を原油価格に上限なしで比例させる契約が出てきた」。大手商社のエネルギー担当幹部はこう明かす。

 NWSは、日本の1年間の消費量である約6000万トンのおよそ6分の1に当たる1000万トン以上のLNGを生産する豪州最大のガス田。関連企業は契約内容についてコメントを避けるが、2009年以降の売買で、実質的なLNGの値上げが合意されている模様だ。

事実上の値上げへ

 間近に迫る2010年前後に、日本企業と、オセアニアなどのガス田の権益を持つ開発会社との契約更改、新規契約が相次ぐ。「多くが交渉中だが、(上限が外れて)原油価格に比例してLNG価格も大幅に上がる形の契約が増える」(大手商社)と見られる。

 従来、消費国と生産国との間の20年にも及ぶ長期契約の中で安定が図られてきたLNG価格。その天井が一気に抜けかねない、豪州発の新たな潮流は日本の産業界を直撃する。

LNG価格も青天井の時代に

 「1バレル、70ドル」という歴史的な水準が続く原油高の終息点が見えない中、石油と比べて割安であることから需要が急増しているのが、1990年代にはむしろ割高だったLNGだ。

 原油価格はこの2年間で2倍になったのに対して、LNGは1トン約2万7000円から約4万円と上昇幅は約1.5倍にとどまる。「半導体、自動車、食品など様々な業界で重油からLNGへの燃料シフトが進み、LNGの消費量は毎月、前年比1割近い増加が続いてきた」(日本ガス協会)。

 LNGの価格上昇がこれまで回避されてきたのは、原油価格が1バレル当たり10ドルを割り込んだ20年前に、売り手の保護を目的に採用された、ある値決め方法が守られてきたからだ。

 これは、売り手がLNG価格の大幅な下落でプラント建設のための億単位の投資額が回収できなくなることを避けるための取り決め。逆に原油高の下では、LNG価格の急騰を防ぎ、結果的に買い手に有利に作用してきた。

 具体的には上のグラフのようになる。LNG価格は基本的に原油価格に比例して決まるが、原油価格が約15~約25ドルの価格帯を外れると、その変動が小さく抑えられるのだ。

 天然ガスの取引形態には2種類ある。1つはガス田から天然ガスをパイプラインを通じて気体のまま消費地に届けるもの。もう1つは、生産地で天然ガスをマイナス162度まで冷やして液化し、LNGとして船で消費地まで運ぶ取引だ。欧米では気体のままの天然ガスを売買するのが主流なのに対して、アジアではパイプラインを敷くことが難しく、ほとんどがLNG取引となる。

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