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会社法で役員の首 軽く

阪神を阪急に走らせた村上ファンドの「解任カード」

  • 中野 貴司

  • 永井 央紀

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2006年5月2日(火)

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 阪急ホールディングス(HD)が阪神電気鉄道株をTOB(株式公開買い付け)で取得する詰めの協議を行った4月24日の臨時取締役会の直前まで、阪急、阪神両社の役員の頭に、経営統合後の明確なビジョンはなかった。

 ある阪神役員は23日、「沿線開発するにしても、高級路線の阪急と庶民派の阪神では一緒に動くのは難しい」と打ち明けていた。阪急HD役員も22日、統合のメリットを問われ、「分からない」と答えた。「百貨店部門の統合についても、すべてこれからの話だ」。

 ビジョンも描けぬまま、関西私鉄同士の大型再編構想が何やら慌ただしく動き出したのはなぜなのか。

 阪神経営陣にとっては、村上世彰氏率いる投資ファンド(村上ファンド)に約46%の株式を買い集められている現状をいかに打開するかが、最大の焦点。村上氏の圧力から逃れるための「まず救済ありき」の統合交渉なのだ。

 阪神尼崎駅近くに店を構える不動産業者は、そうした現実を見透かしたように言い切る。「阪神と阪急が統合したって沿線は何も変わらないし、メリットもありませんよ。文化が違いますから」。

村上の“王手”に窮地の阪神


 大阪駅から三宮駅の区間は、山側から順番に阪急、JR、阪神の3本の電車が平行して走っており、地図上では同一地域による相乗効果が見込めるように映る。しかし、地元の不動産業者が「沿線の文化の違いが最も分かる」と言う、阪急御影駅から阪神御影駅までの約1kmを実際に歩いてみると、両社沿線の光景の違いは一目瞭然だ。

 石畳のこぎれいな道が延びる阪急の御影駅前。付近の家は高い塀に囲まれた屋敷が多く、車もメルセデス・ベンツなど外車が目立つ。

 しかし、阪神御影駅の方向へ曲がった途端、街の雰囲気はがらりと変わる。小さな古い店が軒を並べ、道路も薄暗くなる。「阪急に阪神のイメージがつくのは嫌だ」(阪急沿線住民)という声も上がる。

 こうした沿線の特性の違いや、統合による相乗効果の検証を脇に置いてでも、阪神経営陣が統合交渉を急がざるを得ないのには、理由がある。村上ファンドに半数近くの株式を握られたままでは、ある「リスク」が現実味を帯びてくるからだ。

 阪神役員は「相手はあの村上だからね。何をするか分からん」と吐き捨てるように言い、うつむき加減にこうつけ加えた。「会社法のリスクは承知している。だから今、動いているんだ」。

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