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アステラス製薬

国内営業の一本化の成否が問われる

2006年5月11日(木)

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 旧山之内製薬と旧藤沢薬品工業が合併して誕生した国内3位の製薬メーカー、アステラス製薬。世界10位入りを目指した同社が2005年4月に発足して1年が過ぎた。合併後初めてとなる2006年3月期の連結決算は、売上高8850億円、経常利益2110億円を見込んでいる。5月15日に発表される。

 連結売上高の見通しでは、国内最大手の武田薬品工業(株価)の1兆1950億円、国内2位の第一三共(株価)の9200億円に迫る。しかし、経常利益は第一三共の1500億円は上回るものの、武田薬品の4650億円の半分に満たない。

 こうした収益力の差が3社の株価にも反映されている。5月9日時点の終値は武田薬品7190円、アステラス4730円、第一三共2835円の順となった。トップの武田薬品に収益力で水をあけられているのは、海外における自社販売が弱いこと、と国内でも外部導入品の比率が高いことの2点に求められる。

 自社製品の海外販売を委託すれば、自社販売よりも利益は少なくなる。外部導入品の販売も同様だ。収益力を高めるためには、自社開発品を増やすとともに海外での販売を強化することが必要になる。

 4月26日に急遽開かれたアステラスの社長交代の記者会見。6月の株主総会後に社長兼CEO(最高経営責任者)に昇格する野木森雅郁副社長(58)は、就任後の課題として研究開発の強化と海外での伸長の2つを挙げた。

小粒ばかりの新薬候補

 特に研究開発の強化は急務だ。主力薬の特許切れが目前に迫っているからである。現在、アステラスの業績を支えているのは、主に旧山之内が開発した前立腺肥大症の排尿障害改善剤「ハルナール」と旧藤沢の免疫抑制剤「プログラフ」の2つ。2005年3月期にそれぞれ1359億円と1229億円の売り上げを計上した大型製品、いわゆるブロックバスターだ。

 これら2つの主力薬の特許が2010年までに国内外で相次いで切れる。米国で特許が切れると約8割は後発医薬品(ジェネリック医薬品)に取って代わられる。さらに国内でも政府が後発医薬品の普及を促進している。特許切れによって2つの主力薬の売り上げは激減すると見られる。

 ところが、これらの主力薬の落ち込みを穴埋めするだけのブロックバスターに育つ可能性を秘めた新薬候補が現在のパイプラインには見当たらない。自前の新薬候補を増やすために研究開発の強化には取り組まなければならないが、新たな新薬候補が出てくるまでには時間がかかる。

 そこでアステラスは昨年秋以降、時間を買う作戦に出た。社外からの新薬候補の導入に力を入れ始めたのである。経口貧血治療薬や抗菌剤、疼痛治療薬などの開発・販売権を国内外の企業から相次いで取得している。

 「臨床試験の後期ステージにある新薬候補をどれだけ導入できるかが注目される」と大和総研企業調査第二部の宮内久美シニアアナリストは話す。

6月から始まる“試験”

 研究開発の強化や新薬候補の導入とは別に、複数の証券アナリストがアステラスにとって喫緊の課題と見ていることがある。医療用医薬品の国内営業の一本化の成否だ。

 合併して1年目の2005年度は、旧山之内と旧藤沢のMR(医薬情報担当者)がそれぞれの出身会社の医薬品を主に販促する2頭立ての営業体制を敷いていた。それをこの4月にようやく一本化したのである。

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「アステラス製薬」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官