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無策を重ね“身内”も見限る

村上ファンドに追い込まれた阪神経営陣

  • 大豆生田 崇志,永井 央紀

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2006年5月15日(月)

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過半数が改選対象 阪神電鉄の取締役会

 阪神電気鉄道の筆頭株主である村上世彰氏率いる投資ファンド(村上ファンド)が、6月の株主総会の議案として、現取締役16人のうち任期が切れる9人の取締役選出を株主提案した。阪神側は「経営支配に乗り出した」と猛反発している。

 ただ、社外取締役の玉井英二氏ら関係者の話によると、阪神がここまで追い込まれた背景には、経営陣の判断ミスがあった。

 村上ファンドが提案した9人は、村上氏のほか現社外取締役の玉井氏を含む。もし阪神の経営陣が取締役の定数を8人に減らす会社側提案をすれば、村上氏と玉井氏のほか、3人を送り込む。

 玉井氏を村上ファンド側と見れば、過半数となる数だ。焦りに駆られた阪神側は、縄田和良専務らが玉井氏について「村上さんの考えに近い方という印象」と不信感を率直に表明してしまった。これに玉井氏は「名誉と信用を傷つけられた」と反発。社外取締役から退く構えを表明した。

阪神電鉄経営陣に憤りを表明する玉井英二氏
阪神電鉄経営陣に憤りを表明する玉井英二氏

 「(何かあれば)体を張って阪神を守ろうとしていた」。本誌のインタビューに応じた玉井氏は、かねて村上氏が取締役に就任するならば自ら中立の立場で残ろうと決意していたと明かす。玉井氏に取締役就任を拒否されると、逆に村上ファンド側が過半数の取締役を送り込む提案に道が開く。阪神の経営陣は、かえって自らを窮地に追い込む事態を迎えている。

 玉井氏は1954年に住友銀行(現三井住友銀行)入行、副頭取や住友クレジットサービス(現三井住友カード)社長を経て、98年に阪神に派遣された。81年に過大投資などで不振に陥った大昭和製紙(現日本製紙グループ本社)の経営再建のため筆頭副社長として送り込まれたり、ゴルフ場開発会社への融資や絵画取引などで巨額資金が流出したイトマン(93年に住金物産に吸収合併)の事件でも、担当役員として収拾に当たっていた経歴の持ち主である。

猛虎上場を取り下げさせた

 昨年9月に直接、村上ファンドから阪神株の保有を知らされ、同年11月に阪神の経営陣から「村上氏との折衝役を依頼された」(玉井氏)という。経営陣の意を受けて、たびたび村上ファンドと接触してきた。

 玉井氏は、村上氏と初対面の時から「持ち株の威力を借りて会社に圧力をかけるようなことはやめてほしい」とクギを刺したという。当初村上ファンドが阪神タイガースの上場を持ちかけたのに対し、玉井氏は「上場がファン優遇になるのか。何十万人ものファンのうち株主になれるのはごく一部で、チームの成績が悪い時はモラルダウンを来す」と反論。村上ファンドは即座に取り下げたという。

 ただ、含み資産を抱えた不動産の有効活用を求めた内容には「実現化していない利益は地下資源の埋蔵部分。利益を顕在化して、今までより利益が入るような収益構造を作るのは検討に値する」と一定の理解を示し、交渉を通じて村上ファンドの主張を見極める方針だった。

 ところが玉井氏によると、阪神経営陣の要求は、村上ファンドの保有株をどう処分するかに終始。株主価値向上策につながる議論は出なかったという。

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