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「国乱れて忠臣現る」時が来る

小沢一郎・民主党代表に聞く

  • 聞き手は 杉山 俊幸

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2006年5月16日(火)

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 偽メール問題で瀬戸際まで追い詰められながら、衆院千葉7区の補欠選挙の勝利で崩壊の危機を逃れた民主党。その顔である小沢一郎代表は、本誌とのインタビューで最近の“ソフト路線”とは打って変わって小沢節を披露した。小泉改革から日本人の国民性まで歯に衣着せぬ口調で斬り、政権奪取への道筋を描いてみせた。

  久々に表舞台に登場されたわけですが、政権を奪取するには勝負どころが肝心です。民主党の代表になる時期が、やや早すぎたとの声もある。

  とにもかくにも、来年の参院選挙が勝負だね。確かに、実際政権を取る際の仕組みとしては衆院の総選挙が最終目標になる。でも来年の参院選で自公(自民党と公明党)が過半数を割れば、状況はガラリと変わりますよ。

 来年の改選議員は、小泉さん(純一郎首相)が総理になった直後、つまり小泉ブームで自民党が大勝ちした時の人たちです。自民党が66人で公明党が13人、対する民主党は31人だけ。だけど2004年の参院選の結果も勘案すれば、来年の参院選で互角の議席を取ることで自公を過半数割れに追い込める。

  勝負は1人区。2001年の参院選では、1人区の27選挙区のうち自民党は25を取った。さらに来年は、群馬と栃木が新たに1人区となるから、民主党にはさらに厳しいのでは。

  1人区が重要なのはその通りです。でもそこをうまく取るために我々はもう動き始めています。(国民新党の)綿貫民輔代表らとも協力し非自公、反自公の勢力を集めていきます。

  その参院選を占ううえで重要と言われた、先の衆院千葉7区の補選で民主党の新人候補が勝ちました。

  まあ、1つには小泉政治への評価というものがあるだろうね。同じようなやり方で、昨年9月の総選挙では自民党が圧勝した。だけど今回は、小差とはいえこっちが勝った。「小泉劇場の終焉」ということではないですか。小泉改革が単なるパフォーマンスに過ぎないことが国民にも分かってきた。

 ただ「日経ビジネス」の読者をはじめ、経済界の中でもまだ錯覚している人がいっぱいいると思う。

  何に錯覚しているのでしょう。

  「自民党政治=官僚主導政治ではない」と思っているんじゃないですか。ところが「丸投げ」という言葉に代表されるように、結局、小泉政治は官僚主導政治そのものなんだ。小泉さんは道路公団と郵政事業の改革を2大改革だと言ってきた。これさえやれば何でも良くなるみたいな話をして。

 ところが、道路公団はどうなったんだ。昨年10月に確かに民営化はしたかもしれない。それで何が変わったというのか。高速道路は当初の予定通り全部造るという。結局、役人の思い通りに進んだだけ。郵政だって、きっと同じになると思う。

 ワーワー、ワーワー騒いだだけで、中身は何も変わっていない。ほんのちょっと民営化というお化粧直しをしただけの話なんです。それに皆ごまかされてきた。マスコミなんてその典型。国民は何とはなしに胡散臭いものを感じ始めたのではないかと思うね。

小泉改革とは旧田中派つぶし

  国家公務員を5年間で5%以上削減することなどを盛り込んだ行政改革推進の関連5法案は、小泉改革の総仕上げとも言われます。

  中身がないね。空念仏みたいなものが書いてあるだけ。小泉首相が自分で鉛筆なめて書いたのなら別だけれど、役人が書いたんでしょ。役人が自分のクビを本気で絞めるようなことするわけない。そうでしょう。

  妥協を重ねている?

  妥協じゃないんだよ。小泉さん自身に哲学も理念もないんだよ。だから、役人の言う通りになる。任せる以外ないんだ。俺の考え方はこうだ、というものが何もないからね。

 小泉さんがやりたいのは何か、分かるかい。郵政と道路という旧田中派、経世会の牙城を崩すことだ。その狙いは成し遂げつつある。派閥はもうバラバラでどうしようもない。彼は目的を達成したんですよ。でもそれは国民には何の意味もないこと。しょせん、自民党の中の権力闘争に過ぎない。

 先に触れた道路公団の改革などを見れば、それは明らかです。小泉さんが党内抗争に明け暮れる一方で、どっこい官僚システムは手つかずのままだ。

  初当選した昭和44(1969)年から官僚機構の問題を指摘しています。

  日本では民主主義が確立されていないと痛感していた。国民主権とは国民が最終的な権限を持つということだ。国民が政治も行政もすべてやらないとおかしい。その国民の代表が政治家なのです。でも日本では、国民の代表でもない官僚がすべてを牛耳っている。それはおかしいと思った。もっとおかしいのは、国民がそれに何も言わないことですよ。

 要は何でも他人頼み、お上頼み、役人頼み。経済界だってそうだよ。役所と喧嘩したらビジネスに支障が出るから、役人のご機嫌取りに終始してしまう。その役人も、将来は民間に再就職しないといけない。互いに持ちつ持たれつでやってきた。

  なぜこうなってしまったと。

  戦前、官僚は天皇陛下の官吏である、という言い方をした。その意識が昭和の時代を経て平成になった今でも抜けきらない。片や国会議員なんて下々の代表に過ぎない。だから役人の言うことは信じるけれど、政治家の言うことは信じない。問題なのは、権威があるはずの役人の道徳観念、質そのものが落ちちゃったことだ。

  欧米諸国の道徳観である「ノーブレス・オブリージュ」(高い地位に伴う道徳的、精神的義務)が失われているのでしょうか。

  その通り。日本社会の荒廃と同じように、お上そのもののレベルが落ちた。もう、上から下までみんなダメ。豊かに暮らせていても、日本社会はここまで荒廃した。ここで一朝、事が起これば大混乱になってアウトですよ。腹でもへってみなさいよ。お前のパンが食いたいから人を殺すなんてことが頻繁に起こるようになると思う。

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